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第92号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年6月30日)

全米鉄鋼労組、ケベック州政府をILOに提訴

2019-06-18

カナダ・ケベック州ベカンクールで、アルコアが交渉を拒否したあとUSWメタロスの組合員1,000人が17カ月近く同社工場でロックアウトされており、同労組は国際労働機関に提訴した。

USWが提訴した原因は、アルミ大手のアルコアとリオ・ティントが共同所有しているベカンクールのアルミニウム製錬所で発生した17カ月のロックアウトに際して、フランソワ・ルゴー・ケベック州首相が交渉に干渉したことである。

「首相は再三にわたって労働組合の立場を『不合理』と表現し、その信用を落とそうとする発言をすることによって、民間部門の交渉で企業を全面的に支持した。これは国際法に反しており、私たちはILOに対し、この事件を引き受けるよう求めている」と鉄鋼労組ケベック州責任者のアラン・クロトーは言う。

訴状は、結社の自由および団結権保護に関するILO条約、多国籍企業および社会政策に関する原則の三者宣言、労働における基本的原則および権利に関する宣言の違反を指摘し、4月1日~6月3日の首相による公式声明を少なくとも9件列挙している。

「首相は使用者に同意し、世論を通して労働者に不当な圧力をかけることによって、交渉・調停プロセスを台無しにしている。労働大臣が和解案を提出し、組合がスト破り禁止法の実施に向けて当局に協力を要請しているまさにこのタイミングで、首相の干渉は本件提訴に関する政府の客観性に疑問を投げかけている」とクレメント・マッセUSW第9700支部長は言う。

アルコアとリオ・ティントは、組合がスト権を行使しない意向を表明しており、交渉の場で残っている課題がごくわずかであったにもかかわらず、昨年1月11日にABIでロックアウトを開始した。使用者側は、その後いくつか新しい要求を追加し、解決の見通しがさらに悪くなっている。3月11日、組合員の82%が、ロックアウト実施前の内容を下回る使用者側の提示を拒絶した。

「インダストリオール・グローバルユニオンとしては、政治家がそのような偏見を抱いた方法でソーシャル・パートナーの交渉に干渉することは容認できない。これは結社の自由と団体交渉権に対する重大な脅威だ」

「労働者は有権者であり、政治家と政府に尊重される権利を有する。私たちは、バランスの取れた判断に対するこの違反に関して、加盟組織の懸念を全面的に支持する。このような行為は政治家への信頼喪失を招くものだ」とマティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属担当部長は言う。

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