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第92号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年6月30日)

マレーシアの組合、デンソーと第10次労働協約を締結

2019-06-04

全国輸送機器・関連産業労組(NUTEAIW)は2019年4月30日、マレーシア最大の自動車部品メーカーで従業員数1,365人のデンソーと第10次労働協約を締結した。

1年近くに及ぶ長丁場の交渉を経て、NUTEAIWは組合員950人の賃上げ8.5%の取り決めに成功を収めた。この労働協約には、そのほかにも残業時の食事手当、食料助成金、従業員と家族の医療給付といった給付が盛り込まれている。

「これは30年間で10本目の労働協約となるため、重要な節目だ。しかし、この30年間に不平等が広がり、GDPの労働分配率は35.2%という低水準にとどまっている。したがって、企業の富を労働者と分け合うべきだ」とゴパール・クリシュナムNUTEIAW書記長が述べた。

デンソーグループは昨年度、全世界で483億米ドルの収入を生み出し、28億米ドルの利益を計上した。アジア地域での活動に関しては、総収入が7.1%増えて128億米ドルになったのに対し、営業利益は6.1%減の115万7,000米ドルだった。

デンソー・マレーシアのナカムラ・トモヤ・マネージングディレクターは、競争が激化して事業環境が厳しくなっている中で同社はさまざまな課題に直面しているが、労働者の福祉と持続可能な開発目標の改善に尽力していると述べた。

マレーシアの労働組合は労働法改革を検討している、とゴパールは付け加えた。1つの案は、労働者の心身の健康を確保するための労働時間短縮である。ゴパールは使用者側に対し、時短によって健康に配慮した労働環境を作るよう促した。

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