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第96号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年10月31日)

ICT電機・電子労組、持続可能な未来に向けて準備

2019-10-16

今週タイのバンコクで開かれたインダストリオール・グローバルユニオンICT電機・電子世界会議に13カ国から60人以上の労働組合代表が参加し、全世界で不安定性が高まっているこの時期に4カ年行動計画を立てた。

「世界は分断され、分裂している。不合理な出来事が多発しており、労働組合は真っ先にそれらを指摘し、状況を是正しなければならない」と野中孝泰インダストリオール共同部会長(電機連合/JCM)は述べた。「必要なのは人を最優先する社会であり、そのためには持続可能な政策が必要だ。職場で公正と平等を確保しなければならない」

2019年10月14~15日のこの会議では、3大行動分野を確認した。すなわち、サプライチェーンの重視、不安定労働者の組織化、仕事の未来の調査・準備の必要性である。

プリハナニ・ボエナディ共同部会長(インドネシアFSPMI)が、デジタル化と自動化は労働者の雇用に大きな脅威をもたらしており、不安定な契約で働く労働者の搾取が横行していると述べた。インダストリー4.0は、この部門の組合員の大多数を占める中熟練労働者に最も大きな打撃を与えると予想される。

「私たちは立ち上がり、使用者と政府が公正な移行の代価を払うよう要求する」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長が述べた。「ICT部門は成長しており、デジタル化の影響を最も大きく受けている。労働者が利益を得るよう確保しなければならない」

過去5年間にインドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムのインダストリオール・プロジェクトによって組合員数が2万人増加、3,000人以上の労働組合活動家と労働者が訓練を受け、うち30%が女性だった、と松崎寛インダストリオールICT電機・電子担当部長が報告した。

しかし、組合組織率を高めて、労働組合ネットワークとグローバル枠組み協定の数を増やす必要があることは明白だ、とジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は述べた。
「この部門を支配している多国籍企業への圧力を強めなければならない。これらの企業のサプライチェーンにおける劣悪な労働条件のいくつかを明るみに出す必要がある」

この部門では職場における危険への曝露が広く見られる。電子装置や電気器具の生産に使われる推定20万種類の化学物質のうち、労働衛生曝露限度を検査済みなのは1,000種類にすぎない。

E-wasteも、この産業の大きな問題として強調された。全世界で年間4,470万トンのE-wasteが発生しており、この数字は2050年には1億2,000万トンに増えると予想される。加盟組織は、ブランド各社への圧力を強め、自社製品の安全な再生利用に対する責任を負わせるよう求めた。

会議は、多数の死者が出た台風ハギビスの犠牲者との連帯を表明した。この台風のせいで大勢の日本人参加者が出席できなかった。この地域では台風の強度と発生数が悪化している、と気候変動が雇用と環境にもたらす脅威を実感している加盟組織は述べた。

フリッカーで会合の写真を参照:https://bit.ly/2qdGGpH

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