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第97号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年11月30日)

ドイツの自動車労働者が公正な移行を要求

2019-11-28

独バーデン・ビュルテンベルク州の自動車サプライチェーン労働者は、雇用と労働条件の削減によって技術変化に対応するという産業計画に反対してデモを繰り広げている。

自動車産業の中心地であるバーデン・ビュルテンベルクには、自動車部品メーカー産業クラスターの企業が約160社ある。部門全体で約46万8,500人の労働者が雇用されている。

多くの企業が技術変化を理由に、財政緊縮計画や移転、雇用削減、工場閉鎖を発表している。削減を計画している企業の1つはボッシュで、2工場で1,600人の雇用削減を予定している。産業専門家の推計によると、2030年までに3万~4万5,000人の雇用が失われる可能性がある。

これらの企業は地域使用者団体によって代表され、この団体はインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のIGメタルと賃金・労働条件を交渉している。少なくとも1社が使用者団体を脱退し、その結果、賃金協約からも脱退した。

IGメタルは、この事態を非常に深刻に受け止めている。インダストリー4.0に起因する仕事の世界の転換と電気自動車へのシフトは始まったばかりで、この削減は憂慮すべき先例を作るものだからである。ドイツの状況は、世界の自動車部門に見られる幅広いトレンドの一部である。新技術に投資し、場合によっては製品と生産プロセスの両方を根本的に変更する必要があるため、この部門は混乱に陥っており、全世界に工場閉鎖が広がっている。

労働者はシュトゥットガルト市での一連のデモに参加した。11月22日、1万5,000人の労働者が市の中心にある宮殿広場を赤い旗で埋め尽くした。

ローマン・ツィッツェルスベルガー

ローマン・ツィッツェルスベルガーIGメタル地域書記は次のように述べた。
「使用者がするべきことをしていないために私たちが仕事と未来を奪われるようなことがあってはならない」
「すべての使用者が知っておく必要があるのは、協力して初めて明るい未来を形成できるということだ。従業員と協力して、すべての現場の、全従業員を巻き込んだ転換の見通しを高めていこう。私たちはここに立っており、これからも闘い、誰にとっても有効な解決策が得られるまであきらめない」

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう述べた。
「この自動車クラスターの使用者が採用している無責任で近視眼的なアプローチは社会的責任の欠如を示しており、私たちは深く憂慮している。傘下組合は変化する仕事の世界に綿密に取り組んでおり、公正な交渉プロセスによって管理される公正な移行を一貫して求めている」
「私たちは、抵抗する意欲を示しているIGメタルならびにその組合員と連帯する――産業の転換によって誰も置き去りにされてはならない」

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