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第100号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年2月29日)

バングラデシュの船舶解撤場で死亡事故が続発

2020-02-17

バングラデシュは世界一の船舶解撤国だが、この産業の危険な労働条件が原因で2月前半に2人が死亡し、さらに多くの労働者が負傷した

2月4日、バラウリアのフルトラで、1人の労働者が切断していた巨大な鉄の隔壁の下敷きになって死亡した。この船舶解撤場では昨年8月にも労働者2人が死亡、13人が負傷しており、政府によって一時的に閉鎖された。

残念なことに、今回の死亡事故を見れば分かるように、過去の事故は解撤場の安全状況改善にまったく役立っていない

2月9日には、クワザ・カビール・スチールの船舶解撤場で労働者が鉄板にぶつかって重傷を負っている。

翌日にはSNコーポレーションで、労働者が鉄索に直撃されて死亡。この事故は労働者たちが船から巨大な鉄板を引きはがそうとしていたときに発生し、負傷者も1人出た。

使用者は労働者の安全を徐々に損ない、安全なリサイクル方法を無視し続けている。2019年に判明した船舶解撤事故に関する調査によると、少なくとも24人の労働者が死亡し、およそ79人が負傷した。2020年に入ってからは少なくとも4人が死亡、8人が負傷している。松崎寛インダストリオール船舶解撤担当部長は言う。

「事故が続発しており、これは大勢の労働者がまだ安全訓練を受けられない状態にあることを浮き彫りにしている。バングラデシュの船舶解撤場では不安定雇用が多いため、労働者が犠牲となり続けている

バングラデシュ政府は隣国のインドに倣って、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約を直ちに批准しなければならない政府・使用者は安全状況を改善するために組合と協力する必要がある

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