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第105号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年5月31日)

ロシアのフォルクスワーゲン工場で人員削減の脅威

2020-05-20

ロシア・カルガのフォルクスワーゲン工場で、希望退職する労働者に賃金の5〜6カ月分の支給が提示されている。インダストリオール加盟組織ITUWAは組合員に、正式な雇用削減プロセスが実施されるまで待つよう助言している。そのほうが労働者にとって有益だからである。

フォルクスワーゲンはカルガ工場における夜勤の中止に伴い、278人の雇用を削減したいと考えている。5月12日、労働者は「自発的解雇」プログラムに基づく退職を提示された。その見返りとして5〜6カ月分の賃金が支給される。「希望者」が少なければ、フォルクスワーゲンは従業員数を減らすための正式なプロセスを開始する意向である

これまでに132人の労働者が同意しており、そのほとんどが定年間近だとITUWAは言う。

同工場の別のインダストリオール加盟組織であるロシア自動車・農業機械労組(AWF)によると、5月18日以降に希望退職を決めた場合は、見返りとして支払われる賃金が6カ月分から5カ月分に減額されるという。

パンデミック下で新しい仕事が見つかるかどうか疑わしいため、ITUWAは労働者に対し、会社側の圧力に屈しないよう促している。

ドミトリー・トルドボイITUWA会長は言う。

「自発的退職の場合は即時解雇となるが、1カ月以内に正式な雇用削減プロセスが開始されれば、労働者は8月15日か9月15日にレイオフされるだろう。ロシアの法律に従い、労働者は今後6~7カ月分の賃金を受け取り、さらにボーナスと病気休暇、休暇手当を数カ月にわたって受給する」

「だから、今すぐ退職すれば6カ月分の賃金しかもらえないのに比べて、法定の削減手続きのほうが労働者にとってはるかに有益だ」

2019年10月、フォルクスワーゲン経営陣は2020年夏までの夜勤中止を決定し、その結果、2019年12月には80件の有期契約を、今年4月にはさらに92件の有期契約を延長しなかった。ただでさえ厳しかった状況が、COVID-19パンデミックによって悪化した

ITUWAの推計によると、会社の予算に占める賃金コストの割合は2%にすぎず、雇用削減は必要な措置ではない。同労組はフォルクスワーゲン経営陣に対し、雇用削減を中止するか、COVID-19パンデミック終息まで延期し、労働者が再就職しやすくするよう求めている

5月18日、フォルクスワーゲンのカルガ工場は週4日勤務に切り替えた。この勤務スケジュールは、たぶん2020年末まで続くだろう。

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