広報ニュース

第106号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年6月15日)

パンデミック下でジェンダーに基づく暴力を阻止

2020-06-05

6月2日にグローバル・ユニオンが開催した2回目のウェビナーでは、ILO第190号条約がCOVID-19拡大下における暴力の増加にどのように対処できるかについて説明した。

 

「最前線のサービスに従事するスタッフに対する暴力とハラスメントの増加が報告されている。インフォーマル労働者からも、当局による暴力が激化したと聞いている。多くの女性にとって、家にいることは安全な状態で過ごすことを意味しない職を失った女性や在宅勤務の女性は全員、家庭内暴力にさらされるリスクが高い。ロックダウン措置の結果、女性は暴力的なパートナーと一緒に閉じ込められてしまった。私たちは第190号条約をめぐる交渉で、こうした問題すべてを取り上げ、この事態全体に取り組む手段を世界中の国々に保証するために必要な行動について話し合った」とカナダ労働会議のマリー・クラーク書記長兼財政部長は述べた。

「女性が家庭内暴力に直面しているとき、何らかの支援を受けることができる場所は職場しかない。女性は自分が抱える問題を誰かに話すことができればと思っており、職場ならそれができる。職場は私たちが必要な支援を提供できる場所であり、彼女らと一緒に解決策を見つけ、適切なサービスを利用できるようにしなければならない。[……]家庭内暴力と何とか闘うことができるのは職場だ。第190号条約を見れば、女性の経験を聞けば、職場の重要性は明々白々であり、だから私たちは可能な限り支援する必要がある」とインドMSTKSのシーラ・ナイクワデ副会長は述べた。

「これはパワーバランスの問題だ。女性労働者が暴力にさらされているのは、男性よりも力が弱いからだ。これを心に留めて組織化を続けなければならない。私たちのコミュニティーを、私たちの組合員の結束を保ち、我が身を守って力を強化しなければならない

「すべての組合、指導者およびオルグに対し、この差別の問題を詳しく調べ、訓練を続けて私たち自身が抱えている差別を組合員・労働者が熟考できるよう支援し、差別と闘ってCOVID-19拡大下で暴力や権力乱用と闘えるようにすることを求める」と国際家事労働者連盟(IDWF)のフィッシュ・イプは述べた。

 

 

ルノーとのグローバル協定はリストラに関する交渉が必要

2020-06-04

ルノーがほぼ1万5,000人の雇用削減を計画しているという先週の発表は、自動車産業で頻繁に起こる出来事になっている、とゲオルク・ロイテルト担当部長は書いている。だが、先例を作る協定は将来への道を示す。

ルノーは5月29日、世界中で約1万5,000人の雇用喪失と工場の再編をもたらす20億ユーロの節減計画を発表した。パリ近郊のショワジールロワ工場は完全に閉鎖され、263人が職を失う

ショワジールロワでの抗議行動

 

この発表は、同社と一緒に未来を築いていくつもりだった忠実なルノー労働者とその家族にとって衝撃的である。地域社会とサプライチェーンの労働者にも損害を与え、この部門の将来に関する不安をいっそう強める。インダストリオール・ヨーロッパはヨーロッパの政策当局に対し、コロナウイルス危機からの回復における自動車部門の重要性を認識するよう求めている。

フランスでルノー労働者を代表しているインダストリオール加盟組織4団体(CFE-CGC、FO、CFDT、CGT)は5月27日と6月2日に会合を開き、「社会的崩壊と産業の空洞化」を招く経営計画への共同対応を構築した。4組合が団結して呼びかけた結果、ショワジールロワの労働者は6月2日にストを開始した。

ショワジールロワでの抗議行動

 

幸い、自動車産業の将来にはグローバルな労働運動が多大な関心を払っており、大惨事が勃発したときの準備はできている。1年弱前、ルノーとインダストリオール・グローバルユニオンは、このフランス系自動車メーカーで新しい仕事の世界への転換に関する先例を作るグローバル協定を締結した。

2019年にルノーと協定を締結

 

ルノー・グループは協定の最初の項目で、従業員が変化と転換の課題に対処するための手段と条件を提供されるよう確保することについて、自社の社会的責任とコミットメントを確認している。

ルノーによると、人員削減は2022年末までに実施される。ルノーは「再訓練、内部異動、任意退職」によって削減しようとしているが、全世界の従業員合計18万人のうち、フランスで4,600人、その他の国々で1万人以上が職を失う。

この協定でルノーは、全世界すべての国々で組合や従業員代表と交渉すると約束している。この協定の非常に重要な点は、この「すべての国々」が盛り込まれていることである。多国籍企業は、本国では社会的責任を持って再編成プロセスを実施することが多いが、他国ではそうではない。ルノーの世界従業員代表委員会は10年以上前から活動しており、今回、多国籍企業の社会的対話を次のレベルに高める見込みがある。

これは3つの部分から成るアプローチを必要とする。すなわち、世界従業員代表委員会の運営委員会との定期協議、透明性、そして再編成の影響を受けるすべての国々の全国レベルで、各組合が全面的に関与して建設的対話と交渉を行うことである。

これは自動車産業へのさらなる破壊的な打撃となるが、協定の約束が守られれば悪影響を抑え、再編成が社会的責任のある方法で実施されるよう確保することができる

 

「自分たちの将来を守る」とスペインのアルコア労働者

2020-06-03

スペインの組合CC.OOデ・インダストリアとUGTFICAは、サンシブラーオとルゴ、ガリシアの事業でアルミニウム生産を中止し、534人の労働者をレイオフするというアルコアの決定に反対している。

アルコアは雇用保障を条件に、過去2年間に最大3,800万ユーロの公的支援を受けた。アルコアは現在、エネルギー費の上昇とアルミニウム価格の下落を口実に使っており、「この協議期間が終わるまで決定は下さない」と発表している。

世界有数のアルミメーカーであるアルコアは長年にわたって、スペインのガリシア地域で他のいくつかのアルミ工場を引き離してきた。

サンシブラーオのアルミニウム工場が閉鎖されれば、スペインは他の多くの部門にとって不可欠なアルミを生産できなくなってしまうため、同国経済に甚大な影響が及ぶだろう。

スペインのインダストリオール加盟組織CC.OOデ・インダストリアおよびUGTFICAは、工場の雇用だけでなく一次アルミニウム製造の維持も保証する措置の採用を求めている。

スペインの両組合は、アビレスとラコルニャの他のアルコア工場でも似たような状況に遭遇し、苦しい経験をしている。両組合はスペイン政府に対し、アルコアによる有害な動きを回避するために必要な措置を講じるよう促している

サンシブラーオ工場は地域のGDPの25%に貢献しており、534人の雇用喪失は経済に大きな影響を与えるだろう。

「インダストリオール・グローバルユニオンはインダストリオール・ヨーロッパとともにアルコアに対し、集団解雇を再検討して両組合ならびに政府との交渉の場に戻り、同社およびサンシブラーオ工場労働者のために公正で実行可能な解決策を共同で達成するよう求めている」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。

両組織は、雇用を求めて合法的かつ正当な闘いを繰り広げているスペインの組合およびアルコアの組合員との連帯を表明している。

インダストリオールは、アルコア従業員を代表している加盟組織の間でグローバル組合ネットワークを構築している。

 

最前線の女性労働者

2020-05-21

グローバル・ユニオンは、一連のウェビナーで男女平等の新たな日常に向けて協力し、COVID-19パンデミックとその終息後における女性労働者に焦点を当てている。最初のウェビナーは5月19日に開催され、最前線で働く女性労働者をめぐり議論した。

このウェビナーは今後数週間のうちに開催される全3回シリーズの第1弾だった。

視聴可能なウェビナー(英語のみ):

 

「どう見ても、COVID-19は女性労働者や脆弱性・不平等・抑圧によってすでに取り残されている労働者に、顕著に大きな影響を与えている。女性の大多数が働いているインフォーマル経済の労働者は特に大きな打撃を受けており、一夜にして生計を失い、頼るべき社会的保護もなく、医療・介護サービスをさらに利用しにくくなっている」とチディ・キングITUC平等部長は述べた。

「COVID-19パンデミックは衣料産業のサプライチェーンに大きな影響を与えている。この危機は新たな始まりとなるだろう。新たな日常を求めて連帯して闘うべきだ。この危機へのすべての政策対応にジェンダーの側面を盛り込まなければならない」とトルコの組合Öz İplik İşのフルヤ・ピナル・ウズカン女性委員会議長は述べた。

衣料産業は全世界で女性の80%を雇用している。

「衣料部門では、労働組合主導の部門別アプローチが必要だ。繊維・衣料の新たな日常は部門別協定を推進することだろう。インダストリオールはグローバル・レベルで、ブランドと使用者、政府が労働組合と協力し、この前例のない時期に[……]労働者を支援する方法を見つけるよう要求している。ここで危機にさらされているのは、この産業の存続性だ」とクリスティーナ・ハジャゴス・インダストリオール繊維担当部長は語った。