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第117号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年12月15日)

労働組合、北アイルランドで700人の雇用を削減するキャタピラーの計画に反対

2020-12-02

<JCM記事要約>

  • 米国系多国籍建設機器メーカーのキャタピラーによる北アイルランドのラーン工場で700人の雇用を削減するという発表に対し、ユナイト・ザ・ユニオンが反対を表明している。
  • 雇用削減の大きな原因は、同社がコストの安い非EU諸国に生産をオフショアリングしていることである。ユナイトはこの措置に対し、昨年170億ドルを超える総利益を計上した企業として、道徳的・倫理的にまったく正当化できない、と非難した。
  • グローバル組合ネットワークは、同社にグローバルな対話を求める書簡を送っている。さらにインダストリオールも、イギリス北アイルランドからの生産オフショアリング計画を再考するとともに、組合と有意義な対話を行い、ラーンの施設で生産能力を保持して失業を回避するために共通戦略を策定するよう要請した。

 

インダストリオール加盟組織ユナイト・ザ・ユニオンは、北アイルランドのラーン工場で700人の雇用を削減するというキャタピラーの計画を非難し、政府に対し、製造業部門の産業戦略を策定するよう求めている。

米国系多国籍建設機器メーカーのキャタピラーは、北アイルランドのベルファストに近い港町ラーンの同社施設で700人の雇用を削減すると発表した。キャタピラーはこの地域に大規模なサプライチェーンがあるため、この雇用削減は地域の製造能力と幅広い地域経済に深刻な打撃を与えるだろう。

職を失いそうな労働者たちは、COVIDロックダウン中もずっと仕事を続けた。彼らがロックダウンの適用を免除されたのは、エッセンシャル・ワーカーであり、人命救助とパンデミック対策に取り組む保健・社会医療部門にとって極めて重要な機器(発電機など)を生産しているからである。

北アイルランドはイギリスの一部で、ストーモントの北アイルランド執行部を通して現地で管理されている。この地域の製造業部門では大量の失業が発生しており、ストーモントやウェストミンスターの英国政府からの具体的な支援がないにもかかわらず、注目を集めるキャンペーンのおかげで歴史的なハーランド・アンド・ウルフ造船所が救われた。

ユナイトは、キャタピラーの雇用削減と生産能力低下は地域の産業基盤をさらに弱体化させると考えており、ストーモントは組合・企業代表とともに製造戦略を策定しなければならないと主張している。

キャタピラーは、北アイルランドの4つの現場に約3000人の従業員がいる。ラーンにおける削減の大きな原因は、同社がコストの安い非EU諸国に生産をオフショアリングしていることで、ユナイトは、この措置を「企業欲に基づく行動であり、昨年170億ドルを超える総利益を計上した企業として、道徳的・倫理的にまったく正当化できない」と非難した。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はキャタピラーのCEOに書簡を送り、次のように述べた。

インダストリオール・グローバルユニオンはキャタピラーに対し、イギリス北アイルランドからの生産オフショアリング計画を再考するとともに、ユナイト・ザ・ユニオンと有意義な対話を行い、ラーンの施設で生産能力を保持して失業を回避するために共通戦略を策定するよう要請します

キャタピラーのグローバル組合ネットワークは2011年に結成され、アメリカの加盟組織である全米自動車労組が主導している。このネットワークはキャタピラーが事業を展開しているほとんどの国をカバーしており、参加者は絶えず連絡を取り合っている。キャタピラーはここ数年、すでに厳しいリストラ計画を敢行しており、欧州数カ国、アメリカ、オーストラリアをはじめ、世界中で数千人の雇用を削減した。ネットワークは10月、北アイルランドの削減発表前に会合を開き、同社にグローバルな対話を求める書簡を送っている。ネットワークは北アイルランドの事例を直ちに取り上げ、すべての参加労働組合に今回の新たな解雇を知らせた。

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は次のように述べた。

「キャタピラーは最悪かつ最も貪欲な多国籍企業の1つになり、労働者を尊重せず、良識を失い、多額の利益を上げて高配当を実施していながら雇用を削減している。これは恥ずべき行為であり、容認できることではない」

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