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第133号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2021年8月23日)

シンガポールのエレベーター/エスカレーター労組が大勝利

2021-08-04

【JCM記事要約】

  • シンガポールのエレベーター/エスカレーター労組が、シンガポール・エレベーター/エスカレーター請負業者や政府機関をメンバーとして設立された政労使委員会を通じた交渉を行い、大幅な賃上げを果たした。
  • シンガポール政府は、エレベーター/エスカレーター労働者の累進賃金モデル(PWM)に関するTCLE勧告を受け入れ賃金を漸増させる。さらに2023年1月から義務的な年次ボーナスが導入される。これらの累進賃金モデルは、建築・建設局に登録しているエレベーター/エスカレーター保守会社の強制的な要件となる。
  • インダストリオール東南アジア地域事務所・アニー所長は、加盟組織の成功を称えたうえで、シンガポールの労働運動は、効果的な政労使メカニズムによって、低賃金労働者の権利と利益を保護するうえで極めて重要な役割を果たしている、とした。

 

2021年8月4日:シンガポールの組合は、政労使交渉を通してエレベーター/エスカレーター労働者1300人の大幅な賃上げと年次ボーナスを達成し、大きな勝利を得た。
                                                      

一連の交渉は、全国労働組合会議(NTUC)の取り組み、政労使エレベーター/エスカレーター産業クラスター(TCLE)を通して実施された。TCLEは2020年、金属産業労組(MIWU)、電機・電子合同産業労組(UWEEI)、シンガポール・エレベーター/エスカレーター請負業者・製造業者協会、サービス購入者、管理会社、町議会および政府機関をメンバーとして設置された。

この政労使委員会は、業界が直面している多様な課題を評価した。例えば、労働者の半分が50歳を超えており、長時間労働と好ましからざる作業環境、競争的な外部委託契約価格の結果としての賃金低迷が原因で、若年労働者がこの業界を避けていることである。

シンガポール政府は、エレベーター/エスカレーター労働者の累進賃金モデル(PWM)に関するTCLE勧告を受け入れた。これにより、アシスタントスペシャリストの基準賃金が2021年の1480シンガポール・ドル(1097米ドル)から2022年には1850シンガポール・ドル(1371米ドル)に大幅に増え、2028年までに3080シンガポール・ドル(2283米ドル)へと漸増する。

管轄省によると、2023年1月から義務的な年次ボーナスが導入される。PWMは来年、建築・建設局に登録しているエレベーター/エスカレーター保守会社の強制的な要件になる。

トン・ディクソンMIWU執行委員は言う。

「最新のPWMレビューにより、より多くのエレベーター/エスカレーター保守労働者が、自分のスキルセットに見合った累進賃金を得るようになる。この鍵となるのは、労働者が適切な訓練を受け、昇進コースを上がっていけるようにすることだ」

ディクソンとナデセン

 

タミル・マーラン・ナデセンUWEEI執行委員は言う。

「PWMは、この部門に対する信頼を高めることによって、より多くの現地の人材を引きつけるうえで有効だろう。この新しい基準賃金は、賃金保障と昇進を促進し、従業員に技能向上による専門能力開発の意欲を与えることによって、エレベーター/エスカレーター職の見通しを高めている」

組合員は、日立エレベーター・アジア、フジテック・シンガポール、その他のエレベーター/エスカレーター企業で働いている。シンガポールで利用されている一般的なブランドは、オーチス、三菱電機、シンドラー、コネ、ティッセンクルップ(TK)である。

アニー・アドビエント・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。

「加盟組織のMIWUとUWEEIが大成功を収めたことを祝福する。シンガポールの労働運動は、効果的な政労使メカニズムによって、低賃金労働者の権利と利益を保護するうえで極めて重要な役割を果たしている」

冒頭写真提供:シンガポールNTUC

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