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第135号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2021年10月05日)

OECD鉄鋼委員会は鉄鋼労働者の世界的な最低基準を確保すべき

2021-09-23

【JCM記事要約】

  • 9月22日、第90回OECD鉄鋼委員会が開催され、世界鉄鋼市場の見通しと鉄鋼部門の主要な問題(世界的な過剰生産能力など)に焦点が当てられ議論が行われた。
  • 委員会にて労働組合は、パンデミック後の鉄鋼部門の方向付けにあたり重要な役割を果たす労働者へはワクチン接種を普及させなければならいと主張。また鉄鋼労働者のために世界的な最低基準の実施を確保する戦略の支持についても求めた。さらに、インダストリオールなどの3組織は、地球温暖化の抑制にあたり、労働者の技能向上計画と公正な移行計画の必要性を唱えた。

 

2021年9月23日:9月22日の第90回OECD鉄鋼委員会では、世界鉄鋼市場の見通しと鉄鋼部門の主要な問題(世界的な過剰生産能力など)に焦点を当てた。TUAC、インダストリオール・グローバルユニオンおよびインダストリオール・ヨーロッパは、この機会を利用して中核的ILO条約に基づく鉄鋼労働者の世界的な最低基準の重要性についてOECD加盟国と鉄鋼業界団体の認識を高めるとともに、OECD多国籍企業行動指針に定める鉄鋼部門における責任ある企業行動の重要性を改めて強調した。
                                                      

労働組合は委員会に、COVID-19パンデミックが進行中であり、グローバルサウスも含めて全労働者がCOVID-19ワクチンを接種できなければならず、労働者と組合代表はパンデミック後に鉄鋼部門を方向づけるにあたって重要な役割を果たさなければならないことを思い出させた。

世界的需要の増加を受けて、鉄鋼を利用する多くの部門が当初の予想よりも急速に回復しているが、製鋼能力を実際の鉄鋼需要以上に拡大しようとするグローバルな傾向により、鉄鋼業全体の世界的回復が危険にさらされている。

世界的な過剰生産能力の増加は、鉄鋼市場に対する既存の圧力を悪化させる可能性がある――価格ダンピングは生態学的基準を低下させ、賃金や社会的条件を引き下げる。

インダストリオール・グローバルユニオンのマティアス・ハートウィッチ機械エンジニアリング・素材産業担当部長は次のように明言した。

「鉄鋼労働者が勤務終了後に無事に家に帰れると分かったうえで出勤できるようにすることが絶対に必要だ。最近の死亡事故増加はまったく受け入れがたいことであり、私たちは緊急行動を求める。質の高い製鋼は高い社会・労働・環境・脱炭素基準に依存しており、私たちはOECD加盟国に対し、鉄鋼労働者のために適切な世界的最低基準を確保するよう求める」

「この方向に進む意思があるすべての政府、すべての鉄鋼メーカー、すべての組織は、組織労働者の支援を当てにすることができる」

労働組合はOECD加盟国に対し、鉄鋼労働者のために世界的な最低基準(ILO中核的条約やOECD多国籍企業行動指針など)の実施を確保する戦略の支持を求めた。この基準には結社の自由や、過去1年間に鉄鋼現場で死亡事故が着実に増加しているというまったく受け入れがたい状況下にあって、安全衛生が含まれる。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のジュディス・カートン=ダーリング書記次長が述べた。

「労働組合は団結して、世界的な過剰生産能力の撤廃と、労働者全員にとって公正で平等な世界的規模の競争条件を要求している。最低コストを求めるこのアグレッシブな底辺への競争を止めなければならない。この競争は労働者に悪影響を与え、鉄鋼部門の脱炭素に向けた大いに必要とされる活動を減速させている」

TUACとインダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、地球温暖化の抑制にあたって鉄鋼業が極めて重要な役割を果たすことを認め、クリーン技術への投資と並行して、鉄鋼労働者向けの技能向上計画と公正な移行計画を実施しなければならないと主張した。

3組織は、これを達成するには政府と製鉄会社、労働者、組合が公明な交渉を行うしかないことに留意した。

鉄鋼部門が直面している課題の複雑さと幅広さを踏まえて、TUACは鉄鋼委員会に対し、他のOECD機関(経済委員会、環境政策委員会、雇用・労働・社会問題委員会、投資委員会、責任ある企業行動に関する作業部会など)と緊密に協力しながら、対話を進めて実行可能な解決策を提供するよう奨励している。

 

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