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第141号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年2月4日)

トルコの金属労働者、公正な契約を求めて闘争

2022-01-07

【JCM記事要約】

  • トルコの金属労働者が、金属部門全体の団体交渉を開始した。労働者は使用者側の提示(21%の引上げ)を拒絶し、トルコの経済危機を考慮した上での賃上げ(36%以上)や、同時に給付の増額と労働時間・医療・残業手当の改善等も要求している。
  • インダストリオール・ケマル書記次長は、トルコでのインフレと経済状況を考慮すると労働者の賃上げへの期待は十分正当化されるとし、インダストリオール加盟組織の仲間を結集させ連帯を広げる、と強調した。

 

2022年1月7日:2021年10月、労働組合とトルコ金属使用者団体MESSの間で、300社以上の金属労働者14万2000人を対象とする部門全体の団体交渉が始まった。金属労働者は12月中旬から行動を起こしており、使用者側に対し、トルコの経済危機を背景に労働者の要求を受け入れるよう要請した。
                                                      

インダストリオール加盟組織のトルコ・メタル、ビルレシク・メタル・イスおよびウズチェリク・イスは、MESSに要求のリストを提出した。その中には、トルコで労働者の購買力が大幅に低下していることを受けて、賃上げと労働条件の改善が盛り込まれていた。

トルコでは消費者物価が急上昇している。トルコ統計局(TUIK)発表の公式数値によると、2021年の年間インフレ率は36%で、12月だけで13.6%に達した。しかし独立系のENAGrupによると、年間インフレ率は80%を超えたという。

トルコの経済危機は通貨の変動と物価の上昇を招き、労働者は困難な状況に置かれている。労働者は食品その他の日用品の価格上昇を実感している。

トルコ・メタルは12万9000人の組合員を代表して29.57%の賃上げを要求し、ビルレシク・メタル・イスは1万1000人を超える組合員のために30.89%の増額を提案している。組合側の要求には、給付の増額と労働時間・医療・残業手当の改善も含まれている。

使用者は当初、最初の6カ月で12%を提示、その後17%に訂正し、2022年1月5日の前回の交渉で最終的に21%に引き上げた。トルコ・メタルとビルレシク・メタル・イスは、MESSの最新提示を拒絶した。

ビルレシク・メタル・イスはMESSとの意見の相違を受けて職場をスト態勢に(デミサスの職場)

 

両組合は警告争議行為によって組合員の動員を開始している。トルコ・メタルとビルレシク・メタル・イスは、職場で作業を停止するとともに、企業が立地している都心で大集会を開いた。金属労働者の要求に地域から幅広い支援が寄せられている。

組合の報告によると、世界的な半導体供給不足で多くの産業が難局に陥っているが、これは使用者が労働者の賃上げを抑える口実にならない。

トルコ・メタルは2021年12月24日の執行委員会後、組合が存在するすべての職場でストを行うという決定を発表した。このストは60日以内に実施すべきである。ビルレシク・メタル・イスは、1月14日から4工場で、1月18日からさらに6工場でのストライキを発表した。

2022年1月2日にコジャーエリーでトルコ・メタルが組織した集団デモ

 

トルコ・メタルは、コジャーエリー市で大集会を開いて約10万人を動員し、ビルレシク・メタル・イスは、いくつかの職場で職場レベルの作業停止と抗議行動を強化した。

2022年1月2日にコジャーエリーで行われたトルコ・メタル集団デモでのケマル・ウズカン

 

インダストリオール・グローバルユニオンのケマル・ウズカン書記次長は次のように述べた。

「数千人の金属労働者を代表している加盟組織の要求を全面的に支持する。特にトルコが壊滅的なインフレと厳しい経済情勢にある中で、労働者の賃上げへの期待は十分に正当化される」

「トルコの同志に連帯を広げるために引き続きグローバル・ユニオン・ファミリーを結集していく」

「この闘いはトルコのみならず世界中の国々で続いている」

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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