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第146号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年6月2日)

南アフリカの金属労働者会議、変化する仕事の世界における交渉戦略めぐり議論

2022-04-20

【JCM記事要約】

  • 4月11~13日、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)がヨハネスブルグ近郊で全国交渉会議を開催し、自動車や自動車部品の部門から288人の代議員が出席。本会議は、組合の交渉者と職場委員に交渉戦略を分析・策定する機会を提供する会議であり、今回は生活賃金と給付金、勤務条件に焦点が当てられた。
  • インダストリオール サハラ以南アフリカ地域事務所・ポール所長は、今回の活発な議論はNUMSAが仕事の世界の変革を受け入れ、デジタル技術を活用し職場委員が様々な情報を理解できるようにしていることを示すものであり、このアプローチにより労働者が給付金と生活賃金を維持できるようになる、と述べた。

 

2022年4月20日:全国交渉会議は、組合の交渉者と職場委員に交渉戦略を分析・策定する機会を提供する。金属労働者にとって、この会議は、初めて団体交渉という重要な組合の任務に就く、経験豊かな交渉者と職場委員向けの訓練・知識共有行事でもある。
                                                      

インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は、4月11-13日にヨハネスブルグ近郊のボクスブルグで全国交渉会議を開催し、2022年の交渉に向けて金属労働者の交渉戦略を議論した。この会議では、生活賃金、給付金および勤務条件に焦点を当てた。 

会議には、自動車、自動車部品、自動車修理、タイヤ製造など、NUMSAが組織化する各部門から288人の代議員が出席した。その他の重要部門は、電力会社エスコムの労働者を含むエネルギー部門、金属部門、エンジニアリング部門である。同労組が数社に――中央交渉の枠外で――個別協定の取り決めを許可する社内協定についても議論した。

会議の講演者は、鉱物資源・エネルギー省、南アフリカ統計局、それに貿易・産業政策戦略(TIPS)などの研究機関から招待され、同国の社会・経済状況と団体交渉への影響を説明した。

全国交渉会議は各部門について勧告した。例えば自動車部門に関しては、内燃機関から電気自動車への移行にあたって失業を引き起こしてはならず、2025年自動車基本計画をはじめとする政策に従って労働者の利益を保護すべきだと結論づけた。さらに、いくつかの部品の現地調達は、バリューチェーンの一部産業の生き残りにとって依然重要である。

公正な移行に関しては、石炭、原子力、再生可能エネルギーから成る同国のエネルギーミックスを考慮した、手頃な価格の持続可能な方法で実施しなければならない、と同労組は言う。さらに、石炭発電所の閉鎖にあたっては雇用を保障するとともに、労働者の権利と人権を保護する公正な移行計画を立てなければならない。同会議はエスコムに対し、経済に巨額の損失をもたらしている停電をなくすよう強く促した。

国有企業に関しては、エスコムで7%以上のインフレ率を緩和する賃上げを確保するとともに、南アフリカ航空とデネルの労働者に未払賃金を支払うよう勧告した。この会議は、国有企業の民営化を拒絶し、国有企業は公益を生み出すと主張した。

鉄鋼エンジニアリング部門では、鉄鋼基本計画を維持し、製造を促進するとともに、失業を招いているこの部門の産業の空洞化を阻止しなければならない、と同労組は述べた。

イルヴィン・ジムNUMSA書記長が次のように述べた。

「この会議は、組織的にどう態勢を整えなければならないかだけでなく、労働者の交渉力を強化するために、今回の交渉にとどまらず組織化と動員を構想する方法についても議論する場だ」

「全国交渉会議の任務は、職場の再編成においてグローバル化を超えて広がっている第4次産業革命への関与に関して、NUMSAの交渉戦略を絶えず立て直していくことだ。しかし、公正な移行と仕事の未来を慎重に考慮せずに最新技術を実施すれば、既存の雇用が脅威にさらされる」

「全国交渉会議での活発な議論は、NUMSAが、仕事の世界で起こっている転換を受け入れていること、職場委員に交渉・折衝技能を習得させ、デジタル技術を効果的に利用して業界の動向や複雑なサプライチェーンに関するその他の重要な情報を理解させていることを示している。このダイナミックなアプローチは団体交渉にとって重要であり、労働者が給付と生活賃金を維持できるようにする」とインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所所長のポール・フランス・ヌデソミンは言う。

                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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