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第153号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年12月26日)

国際連帯で労働者のために合意を確保

2022-10-11

【JCM記事要約】

  • 閉鎖されたフォード・チェンナイ(インド)工場にて、労働者の解雇手当をめぐる交渉が難航していたが、2022年7月に組合とフォード経営陣が最終的に合意。従業員は、勤続年数に応じた手当や一時金、2022年9月までの賃金を受け取ることができる。
  • インダストリオールのゲオルグ自動車担当部長は、これは交渉プロセスの重要性を示した労働組合間の国際連帯の顕著な一例であり、1年に及ぶ闘いが最終的に成果を上げ合意に至ったことを歓迎する、と述べた。

 

2022年10月11日:全米自動車労組とインダストリオール、チェンナイ・フォード従業員組合は、インド・チェンナイの大手自動車会社フォードの工場で労働者のために適正な解雇手当を何とか確保した。
                                                      

フォード・インディアは2021年、インドでの車両製造を中止すると発表した。サナンドの2工場のうち、1つはタタ・パッセンジャー・エレクトリック・モビリティー・リミテッド(TPEML)に買収され、エンジン工場は操業を続ける。2工場に1工場が閉鎖され、1工場は引き続き操業する。サナンド・フォード従業員組合は、全米自動車労組(UAW)、インダストリオールおよびTPEMLの組合の支援によって、雇用ならびに賃金、その他の便宜、勤務年数の継続に成功した。

チェンナイの組立工場は買い手が見つからなかったため閉鎖されることになり、労働者が失業し、大勢が経済的苦境に陥った。交渉プロセスは1年間続き、チェンナイ・フォード従業員組合(CFEU)は経営側に懸念を表明して雇用保障を要求した。

2011年には、アメリカの加盟組織UAW指揮下のグローバルな労働組合同盟がCFEUの承認を積極的に支援した。UAWとインダストリオールは2021年の工場閉鎖を見越して、労働者のために公正な報酬を確保する闘いにおいて、2592人の労働者を代表する同労組を断固支持した。

2021年9月、UAW、インダストリオール、チェンナイ工場とサナンド工場のフォード労働者を代表する組合が、フォード経営陣との交渉に先立って、インダストリオール南アジア地域事務所の調整で作業部会を設置した。毎週会合を開き、フォード労組が作成した要求リストについて議論した。支援を期待してタタ・モーターズの組合との同盟も模索した。必要に応じて、UAWがアメリカのフォード経営陣と連絡を取り合うことになった。

しかし、解雇手当をめぐる交渉が行き詰まり、組合は2022年7月に労働省に調停を求めた。数回の政労使交渉を経て、組合とフォード経営陣は、チェンナイ工場労働者の解雇手当について最終的に合意に達した。労働者は、完了した勤務年数1年につき給与総額の平均140日分に等しい手当、15万インド・ルピー(1837米ドル)の一時金、2022年9月30日までの賃金を受け取る。

「雇用は確保できなかったにしても、組合が何とか満足のいく解決を取り決めることができたので、これは私たちにとって大勝利だ。特に、フォード・ブランドが今後3年以内にインドで再発売される場合は、実績に基づいて私たちが優先されると定めた条項を歓迎する。この困難な時期に励まし支援してくれたインダストリオールとUAWの同僚に感謝する」とCFEUのスレシュ・S書記長は言う。

「多国籍企業には労働者とその家族の幸福を確保する社会的責任があり、1年に及ぶ闘いが最終的に成果を上げたと私たちは考えている。インダストリオールは、この合意を歓迎する。これは労働組合間の国際連帯の注目に値する例であり、交渉プロセスの重要性を示した」とゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は言う。

 

 

 

 

 

 

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