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第154号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2023年1月13日)

航空労組、2050年までの炭素排出量実質ゼロに関するグローバル協定を歓迎

2022-10-14

【JCM記事要約】

  • 国際民間航空機関(ICAO)の第41回総会で、184カ国が航空産業の2050年までのネットゼロ目標に合意した。この総会を前に、インダストリオールは国際運輸労連(ITF)、欧州運輸労連(ETF)と共に、ゼロカーボンの未来に繋がる公正な移行へ向け、質の高い社会的対話や訓練への投資などを求めた労働組合による合同要求書を作成していた。
  • インダストリオールのゲオルグ航空宇宙産業担当部長は、国際基準に基づくゼロエミッション解決策の考案に時間がかかるほど、生じる損失の代償は労働者が支払うことになるとし、2050年までの炭素排出量実質ゼロの長期的な地球規模の野心的目標(LTAG)及び関連政策の実施に関与する必要がある、と述べた。

 

2022年10月14日:国際レベル・欧州レベルの労働組合は、2050年までの航空分野の炭素排出量実質ゼロに向けた新しいグローバル協定を歓迎しているが、社会的基準に関する約束など、国家レベルでより強力な約束を要求している。1人の労働者も1つの地域も置き去りにしてはならず、万人のための公正な移行が必要だ!
                                                      

数週間の交渉を経て、国連専門機関である国際民間航空機関(ICAO)の第41回総会で、184カ国が航空産業の2050年までのネットゼロ目標に合意した。

航空運輸・航空宇宙労働者を代表している労働組合は、ずいぶん前から脱炭素化に関する国際的野心の強化を要求しており、すべての国々と産業、労働者には航空部門全体の脱炭素化において果たすべき役割があると強調してきた。

この総会を前に、国際運輸労連(ITF)、インダストリオール・グローバルユニオン、欧州運輸労連(ETF)、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、協力して労働組合による合同要求書を作成した。労働組合がICAOに提出したこの要求書は、ゼロカーボンの未来に向けた公正な移行を要求し、社会的責任を持って航空産業の脱炭素化を管理する必要があることを強調した。この報告書は、質の高い社会的対話、訓練への投資、ソーシャル・パートナーと関連当局による部門アクション・プランの作成を要求した。

残念ながら、最終的な宣言には拘束力がなく、「社会的・経済的・環境的に持続可能な方法で、国の事情に応じて」目標を達成するよう各国に促しただけであった。

最終的なICAO決議と2050年までの炭素排出量実質ゼロの長期的な地球規模の野心的目標(LTAG)の採択に対しては、さまざまな反応があり、欧州連合と欧州産業からは肯定的なコメントがいくつか寄せられた。NGOは、合意に拘束性がないことから、より批判的である。

ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール航空宇宙産業担当部長が次のように述べた。

「航空宇宙産業は、国際基準に基づくゼロエミッション解決策を考案する必要に迫られている。これに時間がかかるほど、結果として生じるが増える。だから私たちは組合として、LTAGと関連政策の実施に関与しなければならない」

ガブリエル・モチョ・ロドリゲスITF民間航空担当書記が述べた。

「私たちは持続可能な未来を確保するために時間と競争している。何百万もの航空労働者が気候変動の影響をもろに受けており、それによって航空産業の職場の危険性が高まっている。乱気流の増加は乗客・乗員に大きなリスクをもたらし、猛暑は空港運営を混乱させ、海面上昇は空港を水浸しにする恐れがある。ICAOのLTAGは苦労してここまで到達したが、必要なスピードで行動を進めるには、労働者が脱炭素化と航空産業の移行の原動力にならなければならない」

イザベル・バルト・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記次長が述べた。

「気候変動は地球規模の問題であり、私たちはすべての国と地域に対し、持続可能な航空燃料の採用やカーボンニュートラルな航空機の開発などによって、飛行の気候影響を削減する努力を強化するよう引き続き求めていく。労働者はグリーン移行の中心にいるが、残念なことに、ICAOの宣言では忘れられているようだ! 1人の労働者も1つの地域も置き去りにされないようにするために、質の高い社会的対話と適切な支援を要求する。グリーン移行は公正な移行でなければならない」

オーエン・コーツETF民間航空部会長が述べた。

「社会的期待と環境目標は密接に関連していなければならない。労働者は環境移行プロセスの中心にいる必要がある。その移行は公正でなければならず、立案から実施に至るプロセスに労働者が積極的に参加できるようにしなければならない。航空産業のグリーン化が進む中で、労働者が新たな進展に適応できるよう援助し、健全で持続可能な雇用を保障しなければならない。LTAGが業界の環境的持続可能性に関して遂げた進展を歓迎するが、社会的持続可能性に関しては、しなければならないことがまだ多い」

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