広報ニュース

インダストリオール・ウェブサイトニュース

メキシコでホンダ労働者が死亡

2013-04-11

 インダストリオール・グローバルユニオンは327日、メキシコ・ハリスコ州のホンダ・エルサルト工場経営陣(安全衛生責任者を含む)に書簡を送り、危険な労働条件の犠牲となったアルマンド・アラナ・トーレスの死亡事故を非難した。

 インダストリオールは、同社が直ちに徹底的な調査を実施して死亡事故の原因を確認し、遺族に経済的な補償を提供するよう要求した。

 ホンダ・メキシコ労組(STUHM)のホセ・ルイス・ソロリオ書記長は、325日にアルマンド・アラナの死亡を発表した。アルマンド・アラナは車両積載用スロープ塗装中、貨物専用コンテナに押しつぶされて死亡した。14年前から同社で働いており、危険な労働条件について何度か苦情を申し立てたことがある。これに対して会社側は嫌がらせをし、罰として、いつも働いていたプレス部門とは別の仕事を割り当てた。STUHM書記長は次のように説明した。

 「彼は他の同僚たちとともに、オートバイ工場の車両積載用スロープを黄色に塗装するよう命令され、いくつかのコンテナを動かして1メートルほどのスペースで作業しろと言われた。労働者たちは、コンテナが出入りするエリアでの作業を求められたため、会社に安全標識の設置を要求した。経営側は、その必要はないと答え、作業をしなければ解雇すると言ったため、労働者たちは抗議しなかった」

 「午後230分ごろ、経営陣の命令で、1人の運転手がトレーラーにコンテナを取り付けるため、そのエリアにバックで入ってきた。取り付け作業中、コンテナがスロープ塗装中のアルマンド・アラナを押しつぶした」。ホセ・ルイス・ソロリオは、アルマンド・アラナは「ホンダ・メキシコの不注意と安全対策義務違反の犠牲者」だと述べ、「この犯罪を見逃してはならない」と付け加えた。

 STUHMはホンダに対し、同社の管理者がアルマンド・アラナに嫌がらせをした理由、この悲劇を防止していたはずの最低限の安全対策を取らなかった理由の説明を求めた。しかし事故後2週間以上、同社は犯罪的な沈黙を続けている。

 労働組合と市民社会組織による抗議がマスコミで広く取り上げられている。鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMSRM)、電力労組(SME)および労働組合調査センターCILASは同社に書簡を送り、その態度を非難した。また、連邦・州労働当局にも書簡を送り、「労働大臣をはじめとする連邦・地方労働当局が、この産業殺人事件の責任者を確認し、作業エリアの詳細な調査を行い、ホンダ・メキシコに危険性の高いエリアにおける労働者の生命保護とこれ以上の過失の防止に向けた措置を強く要求する」よう求めた。下記の記事を参照:

http://www.lajornadajalisco.com.mx/2013/04/08/el-correo-ilustrado-255/

日本のインダストリオール加盟組合は憤慨と遺憾の意を表明し、ホンダ本社に接触して事故の詳細な調査を求めた。インダストリオールは同社とメキシコ政府当局に行動を要求し、この犯罪を見逃してはならないという組合要求を支持する。最後に、すべての加盟組合に対し、メキシコの同僚の死亡事故に対する公正かつ責任ある調査の実施を同社に要求するよう呼びかける。

« 前のニュース  次のニュース »