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第163号インダストリオール・ウェブサイトニュース

アジア太平洋のインダストリオール加盟組織がクアラルンプールで会合

2023-11-07

2023年11月7日:インダストリオールのアジア太平洋女性委員会と執行委員会が、それぞれ10月30日、31日にクアラルンプールで会合を開き、インダストリオールのジェンダーに基づく暴力方針案、生活費危機、労働組合侵害、公正な移行などをめぐって討議した。


クリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長が、女性委員会の開会の辞で次のように述べた。

「ウクライナとパレスチナで激しい戦争が繰り広げられているこの時期に、国際社会、特に国際労働組合運動が平和と正義のために団結することが極めて重要だ。平等、包括性および民主主義を達成できるように、フェミニズムによって形作られる労働組合が必要だ」

委員たちは、女性委員会の活動に情報を与えるボトムアップ・アプローチを構築できそうな方法について戦略を練った。女性指導者は、世界レベルから工場レベルおよびその逆方向にも、情報が効果的に流れるようにすべきだと強調した。加盟組織の指導者は、これらの会合の議論と情報が組合のすべての女性活動家に届くようにしなければならない。女性委員会は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメント、性差別および女性蔑視に関するインダストリオールのグローバル方針案についても幅広く討議した。

ナズマ・アクテルが、カルポナ・アクテルに代わって新しい女性委員会共同議長に就任した。

地域執行委員会では、髙倉明インダストリオール副会長が次のように述べた。

「基本的人権が弱体化している中で、私たちの努力を強化する必要がある。ミャンマーは軍事政権下にあり、バングラデシュとフィリピンでは労働組合権が侵害されている。インドとインドネシアでは反労働者的な労働法改革が実施されている。ウクライナとパレスチナでは戦争が継続中だ。これを容認することはできない」

執行委員は、生活費の上昇とウクライナとパレスチナで進行中の戦争の影響を広範囲に検討した。ミャンマー、スリランカ、韓国およびインドネシアにおける労働者・労働組合の権利状況も議題に上った。これら各国の加盟組織の指導者たちは、反労働者的な労働法改革と労働組合に対する攻撃の強まりが、労働者の労働・生活条件を悪化させていると報告した。

執行委員は、最低賃金の引き上げを要求したために現在国家の弾圧に直面しているバングラデシュの労働組合に、連帯メッセージを送った。バングラデシュでは、警官の発砲で労働者1人が殺害され、さらに1人が負傷した。労働組合のオルグも抗議デモの実施を理由に投獄されている。

ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長がインダストリオールの活動に関する最新情報を伝え、インダストリオールの支援活動、特にILO総会で経済改革について、COP28で労働問題について討議したことを強調した。書記次長は、国際通貨基金と世界銀行の会合でグローバルサウスの債務に焦点が当てられたことにも言及した。

ナズマ・アクテルがアジア太平洋女性委員会について簡単に報告し、執行委員会は、すべてのインダストリオール機構(さまざまな部門を含む)に女性委員会を設置しなければならないと明言した。

ケマル・ウズカンが、今年これまでに開催されたインダストリオールの中間会議の結論を共有し、この結論文書は2025年の次期大会まで組織の指針となる戦略文書だと述べた。執行委員は、不安定雇用と産業の安全の問題への関与を続けていると強調した。委員たちは、公正な移行に関して政府に関与する必要が大いにあり、国家レベルの政策がなければ、労働者の未来は個々の企業の善意に依存するようになると考えている。

加盟組織の指導者は、グローバル枠組み協定をめぐる活動と協定の実施を継続するとともに、現在製造業労働者の90%以上が未組織である風力部門で戦略的組織化活動を優先させることも強調した。

ケマル・ウズカンは次のように述べた。

「世界中に20億人を超える不安定労働者がおり、インダストリオールの戦略は引き続き不安定雇用を軸とした行動に重点を置いていく。地域全体で労働者の基本的権利が悪化しており、インダストリオールは、労働安全衛生との関連であれ、労働者中心の公正な移行との関連であれ、今後とも労働者の権利向上のために運動する」

アジア太平洋執行委員は、髙倉明の退任に伴い、新しいアジア太平洋地域副会長・共同議長候補として金子晃浩を支持している。この支持はグローバル執行委員会に通知される。

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