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第164号インダストリオール・ウェブサイトニュース

船舶解撤労組、香港条約の発効に備えて計画

2023-11-27

2023年11月27日:南アジアの船舶解撤労組は11月24-25日にネパール・カトマンズで会合を開き、今年終了するFNVモンディアールの支援による3カ年組織化プロジェクトを評価した。船舶解撤産業は香港条約の発効に備えて、非常に大きく変化している。


インド、バングラデシュとパキスタンの組合は、船舶解撤労働者を組織化し、社会的対話のパートナーとしての地位を確立するために尽力している。この活動はインドで最も進んでおり、アラン・ソシヤ船舶再利用一般労組(ASSRGWA)と女性自営労働者連合(SEWA)が、船舶解撤労働者と川下労働者の代表としての地位を確立している。ASSRGWAは、ILOが推進する使用者連盟SRIAとの社会的対話プロセスに関与し、安全衛生に取り組んでいる。

バングラデシュは、SENSRECという国際海事機構(IMO)プロジェクトを通して、香港条約に準拠するように造船所を改良している。インダストリオールはSENSRECの計画段階に関わっており、物理的インフラと同時に社会インフラも改良する必要があると主張している。

パキスタン全国労働組合連盟はバロチスタン州政府と協力して、同国を香港条約に準拠させる法律を起草している。パキスタンは域内の船舶解撤国として唯一、2025年6月発効予定の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための条約をまだ批准していない。

この産業の安全衛生状況は改善しており、ここ数年、事故件数と死者数が減っている、と会合参加者は報告した。組合の考えによれば、これは香港条約が安全の重要性に対する新たな認識をもたらし、安全訓練が義務づけられているおかげである。しかし、時間を節約するため危険な慣行を要求する現場監督がまだおり、承認されたリサイクル計画に従ってではなく材料に対する市場の需要に従って解体されている船もある。この状況を変革する鍵となるのは、解撤場レベルで組合による安全確保を確立することである。

参加者は、南アジア全域でパンデミック終息以降、解体のために送られる船の数が減っているとの報告を受けた。その原因は、運賃が高く取引高が多いことから、使用すればまだ利益が得られるため、船主が船の保有期間を延ばしていることである。スクラップに対する需要と鉄鋼価格は比較的高いが、船の価格も高い。加えて、域内の一部の国々は米ドルに対する通貨価値が下がっており、船を購入するための資金が不足している。

しかし、船主協会BIMCOは、今後10年間に過去10年間の2倍に相当する約1万5000隻の船を解体する必要があると考えている。現在の不況にもかかわらず、解撤場所有者は好況を見越して多額の投資を行っている。

安全に次いで組合が取り組む予定の主な問題は、不安定雇用と低賃金である。香港条約を受けて、熟練労働者が増加傾向に転じそうであり、訓練要件によって、使用者が自ら投資した労働者を維持する可能性が高まるだろう。組合は、これを利用して条件改善について交渉する。

ウォルトン・パントランド・インダストリオール造船・船舶解撤担当部長が次のように述べた。

「今後18カ月間、香港条約の要件を満たすための移行が急速に進むため、この産業にとって重要な時期になるだろう。この移行が公正なものとなり、条約発効時に組合が労働者を代表して交渉する権利を持つパートナーとして認められるようにしなければならない。船舶リサイクルにおいて、良質なグリーン雇用を創出しなければならない。」

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