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第165号インダストリオール・ウェブサイトニュース

フィリピンがILO第190号条約を批准

2023-12-12

2023年12月12日:フィリピンのインダストリオール加盟組合が主導した4年間のキャンペーンを経て、フィリピンの上院が暴力とハラスメントに関するILO条約を批准し、フィリピンは世界で37番目の批准国となった。


インダストリオール・フィリピンの女性組合員のキャンペーンは、職場や組合における暴力とハラスメントに反対するインダストリオールの2017年グローバル誓約から始まったもので、キャンペーンの成功には、賃金の全額支払いを保証する出産休暇の65日から105 日への拡大が含まれる。

2019年のILO総会でILO 第190号条約と第206号勧告が採択された後、フィリピンのインダストリオール加盟組合は、暴力とハラスメントの事例、形態、深刻度、フィリピンの女性に関する法および関連法の格差、政府の優先課題などの報告に批准キャンペーンの軸足を置いた。

2022年にフィリピン国家警察が報告した女性に対する暴力の件数は16,158件で、2021年の12,492件、2020年の15,828件を上回った。

政府指導者、上院議員、下院議員への書簡の送付や面会など、広範なロビー活動が行われた。第190号条約に関する意見書と全国レベルの教育資料が作成された。第190号キャンペーンは、メーデー、ディーセント・ワーク世界行動デーの活動、国際青年デーを通じて主流となった。

「マルコス大統領と上院議員は、人間の尊厳と危険にさらされている生命に重きを置き、暴力やハラスメントを阻止するために既存の法律・規則・プログラムを改善することを約束し、この新しい世界基準の実施に関連して説明責任を果たす用意がある。これは称賛すべきことである。」と、インダストリオール・アジア太平洋執行委員会メンバーで、ALU全国副会長のエヴァ・アルコスは言う。

アルコスは、フィリピンが第190号条約を批准することで、労働者保護に関するフィリピンの国際的地位が高まることを期待しており、この決定によって、特に虐待、ネグレクト、酷使、搾取、差別に弱い立場にある労働者に、ディーセントで人道的な雇用が提供されることになると述べている。

「フィリピンは、労働の世界における暴力とハラスメントから働く女性と男性を保護するこの条約をアジアで初めて批准した国として、また新たな画期的な一歩を踏み出すこととなる。」と、インダストリオール・フィリピン女性共同議長を務めるCLASSのアルマ・セルテザは言う。

「フィリピンが第190号条約を批准する上で、インダストリオール加盟組合と女性組合員の役割は極めて重要であった。これは、GBVHの影響を不当に受けている女性労働者を含む、すべての労働者の勝利だ。この条約は、職場における暴力やハラスメントとの闘いにおいて団体交渉で中心的な役割を果たすものであり、フィリピンの労働組合に、あらゆる形態の暴力やハラスメントのない環境を求める労働者の権利が尊重されるようにするための新たな行動手段を与える。」と、インダストリオール・ジェンダー担当部長のアルメル・セビーは言う。

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