広報ニュース

インダストリオール・ウェブサイトニュース2013年第9号(2013年6月15日~6月30日)

インダストリオール、トルコでビルレシク・メタル・イスに対する組合つぶしに対抗

2013-06-27

トルコの自動車部品メーカーのアロブス・アロゲンと車輪メーカーのテケルサンは、3工場で従業員を解雇するなど、インダストリオール加盟組織ビルレシク・メタル・イスに加入しようとする労働者を厳しく弾圧し、国内・国際労働法に違反している。 

トゥズラとブルサの2つのアロブス工場とビレジクのテケルサン工場は、ビルレシクの組織化活動の標的となっている。両工場経営陣は、ビルレシクが法的要件である労働者の過半数を代表しそうなことが明らかになると、威嚇や解雇を始めた。

インダストリオール・グローバルユニオンは両社で影響力を行使する。というのも、アロブスとテケルサンはともに主要自動車会社向けに製品を生産しており、その多くがインダストリオールとのグローバル枠組み協約(GFA)締結企業で、インダストリオール加盟組織が労働組合ネットワークを構築しているからである。それらの多国籍企業(メルセデスやルノーなど)はインダストリオールとのGFAで、サプライチェーンにおける最低労働基準の確保を約束している。

アロブスは、組織化の第一段階で6人、624日にトゥズラで11人、同じく624日にブルサでさらに2人と、合計19人の労働者を解雇した。ビルレシクの報告によると、ブルサ工場の労働者は1人ずつ経営陣に呼び出され、解雇と別の組合への移籍のどちらかを選ぶよう迫られた。アロブス経営陣は、労働者を別の組合に移籍させるために工場に公証人まで呼んだ。

ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は両社に書簡を送り、労働者に自分が選んだ労働組合に加入する権利を与えない経営側の行為が、トルコの法律に違反していることを指摘した。

集団的労使関係法(法律第6356号)第25条「労働組合の自由の保障」は、以下のとおり定めている。「労働組合への加入もしくは非加入、または労働時間外もしくは使用者の許可を得た労働時間内の労働組合もしくは労働者組織の活動への参加を理由に、労働者を解雇または差別してはならない」

また、トルコ刑法(法律第5237号)第118条「労働組合権の行使の阻止」にも以下の定めがある。「労働組合への加入もしくは非加入、労働組合活動への参加もしくは不参加、労働組合からの脱退、または組合管理者辞任の宣言を強制するために、暴力または威嚇を行使した者は、6カ月以上2年以下の禁固刑に処せられる」

インダストリオールは、問題が公正に解決されるまで引き続きビルレシクを見守り、支援していく。

 

UE(全米電機・機械労組)が米国エリーで950人の雇用を守るために闘争

2013-06-27

インダストリオール加盟組織の全米電機・無線・機械労組(UE)は、623日にGEが組合側の提案を拒否したにもかかわらず、950人の雇用を移転させないよう取り組み続けると約束した。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は20134月、エリーからテキサス州フォートワースに生産を移転し、UE506支部の組合員950人をレイオフすると発表した。エリーのGE工場は機関車やオフ・ハイウェー車(OHV)用ホイールモーターを製造している。

UEは、GEがテキサスへの移転を提案している950人の雇用を守ろうと取り組み続けている。同労組は現在、考えられるすべての選択肢を評価しており、UE役員がGE当局者と会談する予定だ。現行の労使協約に基づき、GE201310月まで労働の移転を認められていない。したがってUEは、今後も交渉を続けるつもりである。

「直ちに指導部を集め、係争中のNLRB提訴、追加的な訴訟および考えられるすべての労働行動の推進など、次なる行動を検討する」とスコット・デュークUE506支部長は述べた。

2年前、UEGE4年協約を取り決めて小幅の賃上げを確保したが、それと引き換えに医療・年金給付を大幅に削減された。今回の交渉で会社側はその協約を破ろうとし、第506支部はこれを断固拒否した。

組合案は会社に対し、UE-GE全国協約が失効する2015621日までは、950人の雇用をいっさい移転しないことを保証するよう求めた。UE交渉担当者は交換条件として、会社側にとって2,600万米ドルの節約になる就業規則と出勤手続きの変更に前向きな姿勢を示したが、同社はこの案を拒絶した。

ブルース・キップルUE全国会長は会社側に対し、UEが全員の雇用を守り、工場の競争力を維持するために創造的な案を示したことを改めて強調し、この案を真剣に検討するよう繰り返し要求した。

 

グルジアでスト中の労働者が勝利

2013-06-27

531日、グルジアのゼスタフォニ・フェロアロイ工場で、11日間のストを経て労働協約が締結された。

グルジア冶金・鉱山・化学産業労組が組織化するゼスタフォニ・フェロアロイ工場の労働者は、11日間に及ぶストを経て大幅な譲歩を勝ち取った。

ゼスタフォニ工場の新しい労働協約は労働組合活動に保証を与えている。賃金が10%上がり、毎年インフレ率に応じて賃金調整が行われる。

この労働協約は、職場の事故で亡くなったり就労能力を失ったりした労働者の家族への補償も規定している。具体的な補償額はその都度決定される。

使用者は、労働者訓練プログラムと労働組合員向けワークショップに年間2万米ドル以上を支出することにも同意した。

「ストが成功したのは、労働者の断固とした態度、固い結束、労働組合員の勇敢な行動のおかげだ」とグルジア冶金・鉱山・化学産業労組のタマズ・ドラベリーゼ会長は述べた。

ゼスタフォニ・フェロアロイ工場は2,000人を雇用しており、イギリスの大手採鉱会社ステムコが所有するグルジアン・マンガンLLCの傘下である。

 

CEPが平等を求めてデモ行進

2013-06-25

インダストリオール加盟組織のカナダ通信・エネルギー・製紙労組(CEP)は2013622日(土)にオタワのパーラメント・ヒルまで行進し、エプロン・デモで要求を主張した。

このデモ行進は、「フェミニストが考えた民主主義のレシピ」をテーマに掲げた第10CEP女性会議を締めくくる行動として実施された。討議文書の1つは『女性の平等クックブック――キッチンを出て平等を作る』だった。

201362022日に開催された会議は、主に世界カフェ・セッション形式で行われ、女性たちは保守政権下で失ったものを取り戻せるようにするための技能を習得した。行動手段について学び、女性が組合員を動員して平等と民主主義を求めて闘えるようにする実践的な技能を身につけることが主眼だった。基調講演者たちが先住民の権利、性と生殖に関する権利、育児に関する議論の口火を切った。

初めて参加した大勢の若い女性たちの姿が目立った。残念ながら、CEPとカナダ自動車労組CAWが統合するため、今回は彼女らがCEP女性会議に参加できる最後の機会でもあった。新組合ユニフォーは9月に発足し、カナダ経済のいくつかの重要部門で8万人以上の女性を代表する。

 

ロシアのフォード労働者がストの準備

2013-06-20

 地域間自動車労組(ITUA)は、624日にロシア・フセボロジスクのフォードで賃金・労働条件をめぐってストを実施する予定である。インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織ITUAの報告によると、同労組はサンクトペテルブルクの25キロメートル東にあるフセボロジスクのフォード経営陣に、624日のスト計画を通知した。ストは午前830分に始まる。これに先立つ団体交渉で、労働者は経営側が提案した8.6%の賃上げを拒否した。この数字のうち6.6%はインフレ率で、実質ベースでは2%の増額にすぎない。工場の平均月給はおよそ940ユーロで、労働者は1,150ユーロ(5万ルーブル)への引き上げを要求している。

 「私たちは、ロシアの実質インフレ率が公式数値よりも高いことを知っている。工場の労働生産性は非常に高い。しかし賃金が少ないため、子どもたちに人並みの教育を受けさせ、質の高い医療と標準的な退職後の生活を確保し、楽しい休暇を過ごしたり住み心地のよい家を持ったりすることができない」とフォード・フセボロジスクITUA支部のアレクサンダー・カシティジン会長は言う。カシティジン会長は、会社の利益は増加し続けており、経費全体に占める人件費の割合は低いと指摘する。この工場には、そのほかにも劣悪な労働条件、不十分な安全衛生訓練、夏季の高温を理由にロシアの労働法で義務づけられた休憩の欠如といった問題がある。フォード労働者は20121112月、労働条件をめぐって順法闘争を実施した。フセボロジスクのフォード工場は、2006年以降8回のストを実施した好戦的な組合支部があることで有名である。

 

WRC報告書がPKCメキシコの侵害を痛烈に暴露

2013-06-19

メキシコのフィンランド系自動車部品会社PKCに関する独立調査で、独立組合の結成を試みた労働者の解雇やセクシャル・ハラスメントなど、広範囲に及ぶ労働者の権利の侵害が確認された。

アメリカの数大学が支援する独立労働監視団体、労働者の権利コンソーシアム(WRC)は昨日、メキシコ・シウダードアクーニャのPKC工場における侵害の詳細な調査結果を発表した。PKCは多国籍自動車部品会社で、顧客にはクライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズ、フォルクスワーゲン、ボルボが含まれている。

この報告を受けて、レオ・ジェラードUSW国際会長は次のように述べた。

WRC報告書は、多国籍企業がメキシコの不十分な労働法を利用して労働者の人権を弱体化させている状況を示している。PKCは解雇された組合幹部を直ちに復職させ、報告書の他の勧告に従わなければならない」

メキシコ政府は、米国市場へのアクセス拡大を認められたければ、労働者の権利を保護できることを証明しなければならない。

この報告書により、PKCが労働者の知らないうちに企業内組合を押しつけ、鉱山・金属労働者の独立組合に加入しようとした労働者に嫌がらせをしたり脅したりし、鉱山労組を破るために選挙を不正に操作し、独立組合の支持者を解雇したことが明らかになった。WRCPKC施設でのセクシャル・ハラスメントも確認した。

20132月のメキシコ世界行動デーで実施されたインダストリオール・グローバルユニオンとレイバースタートの合同キャンペーンで、PKCCEOマッティ・フーティアイネンに1万通近くの書簡を送り、自分たちの組合を選ぶ労働者の権利の尊重と不当解雇された労働者の復職を要求した。これを受けてユルキ・ライナ書記長は、すべてのインダストリオール加盟組織に対し、国際基準と結社の自由に関するILO87号条約の尊重を求めてPKC経営陣に圧力をかけ続けるよう呼びかけている。

PKCは、すべての社会的責任原則に反する保護協約制度の奨励によって、メキシコの腐敗した慣行を無視し続けることはできない。PKCから部品を購入している自動車会社は、全世界で労働者の権利の保護を義務づける締結済みのGFAを弱体化させていることを自覚しなければならない。私たちはWRC報告書を広く回覧する予定であり、WRC勧告を強く支持する」

WRC報告書はWorkersrights.orgで入手可能。