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金属労協結成50周年記念講演(2014年9月2日16:10~17:50)

2014年09月09日

毛利衛氏招き

金属労協「結成50周年記念講演」を開催

 

毛利衛氏を講師に迎えての記念講演

 

記念講演を行う毛利氏

金属労協は2014年9月2日、東京・高輪で開催した第53回定期大会に引き続き、毛利衛氏(宇宙飛行士/日本科学未来館館長)を講師としてお招きし、大会参加者、50周年記念レセプション招待者など約500名参加の下、「文化としての科学技術、宇宙からの視点」をテーマに、「結成50周年記念講演」を開催した。

 講演要旨は以下のとおりである。

  国際宇宙ステーションでは、日米欧露がそれぞれ実験棟を設置しているが、日本の「きぼう」が最大で、設備が整い、静粛・清浄なため、多くの成果をあげている。各国首脳との交信でも、必ず「きぼう」が使用される。日本製高精細カメラも、地球環境の観測に大きな役割を果たしている。日本のものづくり産業の質の高さが、宇宙ステーションで証明され、日本の安全保障にもつながっている。

 地球は大きな気温変化を繰り返してきたが、たまたま1万年ほど気温が安定し、現在の人類を増やし、文化と技術を発展させて

きた。地球温暖化で人類の持続可能性が危機に瀕しており、72億の人口が急減する可能性もある。

 

司会をする若松事務局長

成功する生命は、まず個が生き延びて、その情報が他の個に伝えられ、種として生きる強さを身につけてきた。独り勝ちはありえない。宇宙開発は軍拡として始まったが、アポロの頃には人類のためという意識が浸透した。月面着陸が人類の能力、生きる力の向上を意味することが、本能的に理解された。

 生き延びるためには、集団が必要である。かつては国が個人を守ってくれたが、地球環境は国単位でなく、世界中の個人の能力を集め、アイデアを生み出していく必要がある。

講演後の質疑応答

 さらに、人間のことだけ考えていても、人類は生き延びられない。火星では、人類は持続的に生きていくことができない。地球の自然とのつながりがあって、はじめて人類は生きていける。大事にすべきは、地球である。