新着情報(労働リーダーシップコース)

第46回労働リーダーシップコースが開校(2014年10月6日、京都)

2014年10月06日

第46回労働リーダーシップコースが開校

金属労協主催の伝統のユニオンリーダーの登竜門

10月6日から京都で41名が受講、内7名が女性

第46回労働リーダーシップコースで式辞を述べる香川校長

 金属労協が主催する伝統の第46回労働リーダーシップコースが、2014年10月6日(月)から京都・関西セミナーハウスで開校した。今回は、西は長崎県から東は栃木まで41名の受講生が参加したが、女性は7名が受講、46回中一番多い女性数となった。受講生は、10月18日(土)までの2週間、合宿制のもと、研さんに励んでいる。

香川校長の式辞

村田名誉校長の式辞

挨拶する相原議長

来賓挨拶する石井厚労省政策統括官

挨拶する山本関西ブロック代表

挨拶する石田副校長

開校式

 遠藤事務局次長の司会のもと、冒頭、森田玲氏の篠笛の厳かな調べで始まった。最初に、香川校長が式辞に立ち、「この2週間、新たな気持ちで、仲よく励ましあいながら、いろいろな直面する課題に対して活発な議論をしてほしい」と励ました。

 続いて、村田晃嗣名誉校長(同志社大学学長)が挨拶し、「これからの2週間の研修において、日本を代表する企業の労働組合の皆さんが、少子化、高齢化等様々な課題を抱える日本の将来についてお互いに考える機会としていただきたい。リーダーシップとは、リーダーだけいては発揮できない。かならず良きフォロアーが必要である。良きフォロアーがいるところ、良きリーダーシップありと心得て、リーダーシップを発揮していただきたい」と励ました。

 主催者を代表して、相原議長が挨拶に立ち、「金属労協も本年結成50周年を迎え、9月に50周年記念行事を開催したところである。結成直後、組織整備、組織拡大など基盤整備に取り組み、最後に一番大事な人材育成として、この労働リーダーシップコースを開設した。この金属労協の中核をなす重要な取り組みに、情熱を傾けていただいている運営委員の先生方、先輩方に心から感謝申し上げたい。第45回までの修了生は総計2482名に上っている。受講生皆さんの2週間のご健闘に期待したい」と激励した。

41名の受講生が参加

 来賓として、厚生労働省の石井淳子政策統括官が挨拶に立ち、「金属労協が本年結成50周年を迎えられ、結成からまもなく将来の人材育成のために、この労働リーダーシップコースを立ち上げられた、その先見性と行動力に改めて敬意を表したい。受講生の皆さんには、このコースで得た知識や成果を社会の発展にぜひ活かしてほしい」と激励した。

 地元地方ブロックを代表して、山本一志関西ブロック代表が挨拶に立ち、「私自身がこのコースの第35回の修了生である。私の時は1月開催で雪の降る中で、数々の貴重な思い出を刻んだ。労働組合の活動は、デジタル化も必要であるが、人と人との対話を中心にアナログの部分も多い。人と人との縁、つながりを大切に、今回のコースを一つのきっかけとして、対話力を深めていってほしい」と激励した。

受講生を代表して決意表明する家入祐江さん

 続いて、石田光男副校長が挨拶に立ち、「最近は、労使関係を担当する学者が少なくなったと言われている。その理由としては、労使の現場がわからないからというのが多い。私はこのコースのゼミを担当して、毎回自分が試されていると思っている。私にとって、ここで皆さんの職場でのざっくばらんな体験や議論を話しあうことが大切なことだと感じている。最後まで頑張ってほしい」と激励した。

最後に、受講生を代表して、コマツユニオンの家入祐江さんが決意表明を行い、開校式を終了した。

 

 

開校講演

開校講演する相原議長

終了後、相原康伸金属労協議長から 開校講演として「これからの労働運動とリーダー像」の講演を受けた。相原議長は、労働運動の現状とこれからの展望について自身の考え方を述べると共に、これからの労働組合のリーダーの役割とあり方について自身の組合活動における経験を踏まえて講演を行った。

 

 

 

 

オリエンテーション&グループ形成

 この後、受講生は、オリエンテーションのあと、高橋正氏の進行による「貿易ゲーム」を通じて、グループ形成を行った。

 夕食交流会では、高橋正氏の音頭で全員の健闘を祈って乾杯した後、すき焼きを食べながら交流した。そのあと、全体ミーティングを行い、全員で自己紹介した後、各ゼミの班長・副班長、座長、ラジオ体操当番などを決めた。全体の級長には、中田ゼミの班長永川賢治さん(全本田労連)が選出された。第1回実行委員会のあと、全員、ロビーの一隅に集まり、永川級長の音頭で、各組合からの差し入れの缶ビールなどで、最後のゴールまで全員健康で励ましあいながら元気でやろうと乾杯し、懇親した。

貿易ゲーム

貿易ゲーム2

貿易ゲーム3

夕食交流会、高橋さんの音頭で乾杯

決意表明する永川級長

永川級長の音頭で健闘祈り乾杯

第1週(10月7日~12日)

10月7日(火)

朝の体操・散歩

朝の体操

音羽川の砂防ダム前で

受講生は、健康のため、毎朝7時15分から朝の体操(ラジオ体操)と散歩をしている。初日の10月7日朝は、最初に永川級長からの挨拶の後、ラジオ体操をしてから、全員で音無川の砂防ダムまで散歩した。

 

 

 

午前の講義:「戦後の労働運動と労使関係の変遷」(鈴木勝利 金属労協顧問)

講義する鈴木顧問

講義する鈴木顧問

10月7日午前は、鈴木勝利金属労協顧問から「戦後の労働運動と労使関係の変遷」と題して講義を受けた。鈴木顧問は、労働組合の 存在意義を考える視点から、日本における労働組合の誕生から現在までの変遷、そして、労使関係の変遷の歴史について、自らの労働運動における体験も踏まえながら、講義した。

午後:ゼミナール1

午後のプログラム:ゼミナール1

 午後は、ゼミナール1で、最初に全員で大会議室に集まり、香川校長からゼミナールの意義について述べた後、5人の担当講師から各ゼミの討議内容と自己紹介を受けた後、各ゼミに分かれて、ゼミナール1を行い、全員の自己紹介と組合・会社紹介、そして各自の抱えている課題などを披露し合った。

 

ゼミ全体ミーティング

ゼミ1石田ゼミ

ゼミ1香川ゼミ

ゼミ1中田ゼミ

ゼミ1冨田ゼミ

ゼミ1上田ゼミ

晩のプログラム:ファンタジーセミナー

講話をする日高教授

前段の行動学習

晩7時からは神戸学院大学の日高正宏教授の講師による「ファンタジーセミナー」を受講した。前半は、行動学習を通じてグループ作りを学んだ後、後半は、5~6人のグループに分かれて、絵を描くことを通じて心の交流をする「ファンタジーセミナー」を体験した。

 

 

 

 10月8日(水)

午前の講義:「男女共同参画と多様な働き方」(冨田安信 同志社大学教授)

講義する冨田教授

質問する受講生

10月8日午前は、冨田同志社大学教授から「男女共同参画と多様な働き方」をテーマに講義を受けた。冨田教授は、「男女共同参画社会をめざして」「女性が活躍する職場づくりとは」「ワークライフバランスから多様な働き方へ」「60歳代前半の多様な働き方」の4点を中心に話しを進めた。

 

 

午後の講義:「国際労働運動論」(小島正剛 金属労協顧問)

午後は、小島金属労協顧問から「国際労働運動論」をテーマに講義を受けた。小島顧問は、自身の国際労働運動における長年の経験を踏まえて、第1部では、「国際労働運動」について、歴史的視点と水平的視点で見ると共に、第2部では「国際労働運動における日本労働運動のポジション」について、歴史的経緯、問われる酷さ連帯のあり方~責任と役割の視点を中心に講義した。

講義する小島顧問

講義する小島顧問

講義を聴く受講生

 

10月9日(木)

座禅体験

10月9日は早朝5時45分にセミナーハウスを出発、ほの暗きなか全員徒歩で禅寺「圓光寺(えんこうじ)」に到着。大坪住職の指導のもと、座禅を体験した。

大坪住職から座禅について指導を受ける受講生

半眼で座禅に集中

午前の講義:「労使関係論」(講師:石田光男 同志社大学教授)

講義する石田教授

質疑応答

午前の講義は、コース副校長でもある石田光男同志社大学教授から「労使関係論」の講義を受けた。労働組合のリーダーにとって重要な「労使関係」の基本について、労働や雇用の分析の仕方、賃金のルールや仕事のルールなど、基本的な考え方について学んだ。

 

 

 

午後の講義:「組合戦略づくり」(講師:神田 良 明治学院大学教授)

午後は、神田 良明治学院大学教授から、「組合戦略づくり」について、講義を受けた。講義では、労働組合のリーダーとしての役割、戦略的な発想と行動とは何かについて学んだ。講義の前半で、リーダーシップと戦略発想に関する基本的な理論を学んだ後、後半では、その理論に基づいて、グループに分かれて、実際の組合・職場での課題についてグループ討議を行って、解決策を考えた。そのグループ討議でみんなで考えた内容を各グループ毎に発表し合い、質疑応答、意見交換したあと、神田教授がアドバイスを含めてコメントをした。

講義する神田教授

グループ討議

晩のプログラム:討論会

晩は、大会議室で、5つの島に分かれて、出店方式による自由な討論会を行った。各ゼミから選ばれた5名の討論会実行委員が、各島の座長を務めた。

討論会

討論会

討論会

 10月10日(金)

 午前のプログラム:ゼミナール2

 午前のプログラムは、ゼミナール2。受講生は5つのゼミに分かれて、ゼミ1に続いて、それぞれの組合や職場での課題をその背景も含めて報告しあい、理解を更に深め合った。

 

ゼミ2-石田ゼミ

ゼミ2-冨田ゼミ

ゼミ2-冨田ゼミ

ゼミ2-上田ゼミ

ゼミ2-香川ゼミ

ゼミ2-中田ゼミ

  午後のプログラム:鞍馬山散策

鞍馬駅の前で

鞍馬寺での講話

午後は、京都の「鞍馬の自然に学ぶ」ことを目的に、「鞍馬山散策」を行った。香川校長と森口関西セミナーハウス館長補佐の引率のもと、全員で、昼食後、セミナーハウスを徒歩で出発し、叡山電鉄の「修学院駅」から電車に乗り終点の「鞍馬駅」で下車、徒歩で、鞍馬山を登り、樹齢千年以上の杉木立の中を、鞍馬寺まで行き、鞍馬寺の曽根さんから『鞍馬寺の歴史、鞍馬山の自然』について講話を受けた。この後、鞍馬山を越え、貴船側まで下りた。受講生は鞍馬山の自然を満喫して鋭気を養った。

晩には、一週間の締めとして、実行委員会の運営で交流会を行い、各ゼミ別の出し物を見ながら交流を深めた。

 10月11日(土)

午前の講義:「労働経済論」(講師:中田喜文 同志社大学大学院教授)

講義する中田教授

講義風景

午前は、中田喜文同志社大学大学院教授から、「労働経済論」の講義を受けた。講義の中では、「21世紀の日本の賃金:複眼思考による賃金の検討」を副題に、日本の賃金の現状について、多角的な視点から分析すると共に、「21世紀の日本の賃金と賃金制度改革」、「21世紀の路労働組合の役割」などについて講義した。

 

 

午後の講義:「職場のメンタルヘルス」(國吉知子神戸女学院大学教授)

講義する國吉教授

実技指導をする國吉教授

一週目の最後の講義は、國吉知子神戸女学院大学教授による「職場のメンタルヘルス」であった。國吉教授は、セルフケアのためのストレスマネジメントや、人間関係についてコミュニケーションのポイント、職場でのうつへの対処などについて、実技も交えながら、講義した。

 

 

 

10月12日(日)

比叡山登山

無事に比叡山頂上に到着

延暦寺根本中堂の前で

10月12日は、講義は休みであったが、オプションのプログラムとして、「比叡山登山」を行った。香川校長と事務局の引率で、7名の受講生が参加した。セミナーハウスの裏側のきらら坂登山口から比叡山の山頂まで登り、延暦寺根本中堂も訪問し、全員元気にセミナーハウスに戻った。