IMFニュースブリーフ
カリビアン・イスパット工場で安全性が危機的レベルに低下
予算配分などの安全衛生措置が講じられず、職場災害や職務関連の健康問題が悪化の一途をたどっている。

トリニダード・トバゴ
:国際金属労連(IMF)加盟組織であるトリニダード・トバゴ鉄鋼労組(SWUTT)からの報告によれば、イスパット・インターナショナルのLNMグループ傘下企業であるカリビアン・イスパット社の鉄鋼工場で、安全衛生条件が悪化している。同労組によると、工場全体で安全衛生水準が危機的レベルにまで低下している。
 2002年、安全衛生措置の不備と安全衛生対策予算の欠如が原因で、同工場では80件を超える重大な職場災害が発生し、職場での負傷事故などの衛生問題によって退職に追い込まれる労働者が増えている。契約労働者も適切な安全指導を受けずに工場に入ることを許されており、事故が発生しても、再発防止の是正措置を講じられるようにするための調査は、まったくと言っていいほど実施されていない。
 同労組によれば、これらはすべて国際労働機関(ILO)が国際レベルで定めた基準への明白な違反を確証している。トリニダード・トバゴでは安全衛生関連法が制定されているが、無視されている。
 IMFは全加盟組織に書簡を送り、同社に厳重な抗議文を送付するよう求めた。IMFはカリビアン・イスパットCEOとトリニダード・トバゴ労働大臣に文書を送り、組合の安全衛生要求に会社側が積極的に対応するよう強く促すとともに、トリニダード・トバゴで安全衛生に関する国際規則を確実に尊重させるよう政府に要求した。
 IMFはILOにイスパット工場の状況を報告する。
[2003年2月28日]