IMFニュースブリーフ

ダイムラークライスラーが新工場計画を撤回

カナダの自動車労組は大いに失望し、政府を非難している

カナダ:
ダイムラークライスラーは5月22日、オンタリオ州ウィンザーにピックアップ・トラック組立工場を新設する計画の撤回を決めたと発表した。これに対してカナダ自動車労組(CAW)のバズ・ハーグローブ会長は、怒りと不満と深い失望を表明した。

 CAWが発行したプレス声明の中で、同労組会長は、工場新設は「カナダの最重要産業である自動車産業の衰退傾向を食い止める主要な決定」になっていた可能性があると述べたが、工場建設の実現を保証するために十分な措置を講じなかったことについて連邦・州政府を非難した。

 ダイムラークライスラーは、ウィンザー工場プロジェクトは経済的に立ち行かないと述べた。だが組合側の考えでは、2002年秋の交渉で取り決められた投資協定の実施を妨げた二つの問題は、連邦・州政府の支援不足とカナダ・ドルの上昇である。

 CAW会長はジャン・クレティエン・カナダ首相に書簡を送り、ウィンザー工場プロジェクトの主要利害関係者の会合を開き、同プロジェクトを妨げる経済的障害に検討を加えるとともに、その障害を克服できるかどうか見極めるために協力するよう強く促した。

 ウィンザーは米国デトロイト州との国境を越えてすぐのところにある。『デトロイト・ニュース』とjust-auto.comによれば、クライスラー・グループは、今年に入ってからアメリカの自動車・トラック需要が4%減少し、同社の売上高も7.2%落ち込む中で、コストを抑えて収入を増やそうと苦闘している。

[2003年5月23日]