IMFニュースブリーフ

ILO会合で新しい船舶解撤ガイドラインを採択

このガイドラインは、責任のある船舶解体の確固たる国家的枠組みの確立と船舶解撤における安全衛生の改善を支援する。


バンコク:
10月7〜14日にバンコクで国際労働機関(ILO)が開いた船舶解撤産業に関する国際専門家会合で、世界で最も危険な職業の一つを実施する数千人の労働者の安全衛生を改善するための決定的な措置が講じられた。
 老朽化が進む外洋航海船の解撤・再利用への世界需要が増える中で、このILO三者構成会合は、船舶解撤において労働条件の安全性を向上させる方針を初めて示す新しいガイドラインを採択した。ILOによれば、再利用の対象となる船が急増しており、これらの巨大な老朽船を解体する何万人もの労働者の安全衛生を改善する必要があることについて新たに切迫感が生まれている。
 このバンコクでの会合には、世界の主要船舶解撤国(バングラデシュ、中国、インド、パキスタン、トルコ)の代表、これらの国々の国際金属労連(IMF)加盟組織の労働組合活動家、IMFアジア・太平洋地域代表、国際海事機関(IMO)、バーゼル条約事務局およびILOの当局者、それにカナダ、ドイツ、ノルウェー、韓国、イギリス、アメリカのリソース・パーソンが集まった。
 このガイドラインは、インフォーマル・セクター中心の活動をより組織化されたフォーマルな経済へと段階的に転換するうえで助言を与えることができ、責任のある船舶解体の確固たる国家的枠組みの確立と船舶解撤における安全衛生の改善を次の方法で支援する。
● 関連のあるILO国際基準・行動規範の適用
● 職業安全衛生における社会的対話の改善
● 国内法の強化と職業安全衛生基準の実施
● 全国レベル・企業レベルを対象とする包括的技術協力プロジェクトの実施による政府・使用者・労働者の援助
 新たに採択されたガイドラインの全文は、まもなくILOウェブサイトで公表される。
出所:『ILOニュース』
 追加情報については、IMFウェブサイトの船舶解撤特集を参照のこと。
[2003年10月16日]