IMFニュースブリーフ

アジア・太平洋自動車会議で組合強化に焦点

バンコクで開かれた地域労働組合会合で、産別組合と全国金属労連機構の強化が優先課題として取り上げられた。


アジア・太平洋:
グローバルな自動車産業提携と製造系統が現在の世界自動車産業構造を形作っている中で、10月に8カ国の国際金属労連(IMF)加盟組織から労働組合活動家58人がタイのバンコクに集まって討議した。
 ロン・ブルームIMF自動車担当部長は会議でのプレゼンテーションの中で、自動車産業の最新傾向と労働組合にとっての課題を詳しく説明した。自動車メーカーは事業合理化のために合併やグローバル提携の創出を進めており、今やごくわずかな世界規模の主要自動車提携しか残っていない。
 「企業の方針によって柔軟性が高まり、労働者に危険が転嫁され、雇用削減と所得保障が低下している。この傾向は、労働者保護・社会的保護を弱めて国家経済を規制緩和しようとする政府のネオリベラル政策によって、また貿易・投資協定によって強まっている」とブルーム部長は強調した。
 2002年の地域自動車会議の目標は国境を越えた情報交換と関係の確立だったが、今年の会議では、労働組合活動の優先課題の確立と戦略立案とにおける課題への対応に焦点を当てた。
 会議に出席した代議員は、地域の自動車提携のそれぞれについて設置されたワーキング・グループに分かれて会合を開いた。組合の最優先課題の確認は国によって異なる場合が多かったが、全地域的視点から見た最善の対応については共通の理解があった。すなわち、産別組合と全国金属労連機構の確立・強化である。これはさらに他の重要な優先課題、何よりもまず雇用・所得保障の強化(非正規労働者の保護を含む)の達成に役立つだろう。
 さらに参加者らは、アウトソーシングや下請契約の課題に対応するに当たって個別の企業別組合機構では限界があり、組織化が大いに必要とされていることにも注目し、この会議の二つのパネルで討議した。
 この会合には、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、韓国、タイの組合の代表が参加した。
注:先ごろ、ブラジルのサンパウロでラテン・アメリカ地域自動車産業会議が開かれた。
[2003年10月15日]