IMFニュースブリーフ

サンパウロで交渉まとまる

同州の全金属部門を対象とする団体交渉が終了し、成果が得られた。


ブラジル:
このたびサンパウロ州の金属産業の全部門を対象とする交渉が終了し、労働者らは合意案に強い賛意を表明している。フォード、ダイムラークライスラー、トヨタ、スカニアの合意に続いて、今回はゼネラル・モーターズ、フォルクスワーゲン、自動車部品製造/機械/電気・電子部門で協約が締結された。
 今年の交渉ラウンドにおける労働組合の重要な業績の一つは、インフレ率を2%上回る自動車組立労働者の実質賃金引き上げの獲得と最低賃金の20%増額である。この部門で働く労働者は約4万2,500人で、今回の合意はサンパウロ州とブラジルにとって強力な景気浮揚策になると期待される。
 交渉のもう一つの重要な側面は、ホワイトカラー従業員が支援し、目標を達成するために生産労働者とともに懸命に闘ったことである。経営側は賃上げに上限を定めていたが(この決定は明らかに定額給従業員に影響を及ぼす)、その限度を引き上げざるをえなかった。
 自動車部門の全国協約を締結するという労働組合目標の達成へ向けても前進が見られた。これらの協約では、2004年9月の交渉で更新することについて合意に達した。サンパウロ州はブラジル自動車部門の過半数を占めており、関連組合は他州の自動車部門にも、あとに続くよう強く催促することにしている。
 以下、上記の合意で取り決められた主要事項を示す。フォード、ダイムラークライスラー、トヨタ、スカニアの協約に関する情報については、11月4日付のIMFウェブサイト報告を参照されたい。

フォルクスワーゲン(VW):  ストライキと「VWは他の自動車メーカーに従わなければならない」という裁判所の裁定を受けて、月収5,200ブラジル・レアル(1,818米ドル)以下のVW労働者の賃金は18.01%引き上げられる。うち15.7%は前期のインフレ率に相当し、これにインフレ調整後の実質賃上げ分2%が上乗せされる。月収が5,200レアルを超える労働者は、1カ月当たり936レアル(327ドル)の賃上げとなる。

ゼネラル・モーターズ:  労働者らは2004年初めから賃金が18.01%上がり、2003年第4四半期分として2,120レアルの一時金を受け取る。

自動車部品/機械/電気・電子部門:  労働者らは賃金が16.5%上がり(インフレはカバーしているが実質的な賃上げではない)、自動車部品部門の最低賃金が22%引き上げられる。
[2003年11月11日]