IMFニュースブリーフ

ロシアの鉱山・金属労組が第5回大会を開催

IMF書記長は大会代議員の前で発言し、「ロシアの労働組合は変化を強く要求し、より積極的に行動して若年・熟練労働者に接触しなければならない」と述べた。


ロシア:
ロシア最大の国際金属労連(IMF)加盟組織であるロシア鉱山・金属労組(MMWU)は、2月4〜5日にモスクワで第5回大会を開いた。およそ700人の代議員が、世界最大級の金属複合施設を代表して参加した。例えば、直接生産だけで3万人の労働者が従事するウラル地域のマグニトゴルスク鉄鋼工場、労働者数3万5,000人のノボリペツキー(Novolipetsky)工場、同4万2,000人のセベルスタール(Severstal)である。
 賃金、雇用創出、社会的保護などが、この大会で取り上げられた主要な問題だった。鉄鋼・非鉄部門の賃金は依然としてロシア経済で最高の部類に入っているが、組合にとって実質賃金水準の維持はますます困難になっている。現在ロシアでは、人口の約3分の2が貧困線以下で生活しているとの報告がある。
 マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は大会への挨拶の中で、ミハイル・タラセンコMMWU会長の言葉を繰り返し、「ロシアの組合は今なお社会主義時代の伝統を維持して」おり、「草の根組織はまだ市況の課題に対応できるように改革されていない」と述べた。マレンタッキ書記長は、「ロシアの労働組合は、社会において進歩的勢力と認められたければ、戦略と活動方法を考え直さなければならない」と強調した。組合は変化を強く要求し、より積極的に行動して若年・熟練労働者に接触しなければならない。書記長は、「鉄鋼業における工場閉鎖プロセスはすでに終わり、今後、大規模な人員削減が実施される心配はない」と主張した労働・社会開発省の声明を「安っぽいポピュリズム」として強く非難した。
 実際、ロシアの金属産業は苦痛に満ちた再編成・近代化プロセスを経験している。過去5年間に8万人分を超える雇用が削減され、経済自由化とロシアの世界貿易機関(WTO)加盟で、2010年までにさらに35万人分の雇用がなくなると予想される。解雇に直面する労働者を援助するために、同労組はロシア政府に具体案を持ちかけ、「ロシア金属産業開発戦略」が起草された。
 MMWUは1999年にIMFに加盟した。地方組合組織667団体を擁し、組合員総数は120万人である。ミハイル・タラセンコ会長はさらに4年を任期として満場一致で再選され、イリーナ・レデネバ(Irina Ledeneva)、アレクサンドル・クゼチョフ(Alexander Kuzetsov)両副会長も再選された。
[2004年2月6日]