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ホンダに損害賠償金40万米ドルの支払い命令

裁判官は、慢性疲労症候群の従業員を解雇したことに対してホンダを強く批判し、同社に40万米ドルの懲罰的損害賠償金の支払いを命じた。


カナダ:
カナダの裁判所はホンダ・カナダ社に対し、元従業員の1人に40万米ドルの懲罰的損害賠償金を支払うよう命じた。カナダの雇用関連事件で過去最高額と言われるこの罰金は、慢性疲労症候群(CFS)にかかった従業員の取り扱いにおける同社の非常識な行為に対して科せられた。
 38歳のケビン・キース氏がホンダで働き始めたのは、同社が1986年にオンタリオ州アリストンに初めて組立工場を開設したときのことである。キース氏は、数年後に健康上の問題をかかえるようになり、1996年にCFSと診断され、その後2年間は断続的に身体傷害保険を受給した。これらの給付が打ち切られたあと、キース氏は1998年に復職せざるをえなかった。
 フルタイムの仕事に戻ったキース氏は、まもなく何日か仕事を休むようになったが、これは病気が原因で起こるであろうと主治医が予告していたことだった。労働者が組合によって代表されていないホンダ工場で、キース氏は代理人として弁護士を雇うなど、経営側と何とか和解しようと繰り返し試みた。その努力にもかかわらず、キース氏は2000年3月に解雇された。
 裁判所は、この労働者を解雇したことに関してホンダを強く批判し、同社の行動は計画的・意図的なものであり、キース氏に対する長期的な企業共謀に該当すると説明した。
 「原告はまったく1人であり、必要な資源もなかった。原告は不利な条件のもとに置かれ、ホンダという巨大な企業の前では取るに足りない一個人にすぎなかった」とマクアイザック裁判官は述べた。
 伝えられるところによれば、ホンダはこの決定を不服として上訴する予定だという。
[2005年4月15日]