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オーストラリアのボーイング争議、仲裁に付される

州労使関係委員会が「ボーイング労働者の団体交渉権のために介入可能」との採決を下し、オーストラリア最長の労使紛争の1つが間もなく終わりそうだ。


オーストラリア:ニューサウスウェールズ州(NSW)労使関係委員会が争議に介入したあと、ボーイングの航空機整備労働者は2月20日にニューカッスルの職場に復帰した。

 オーストラリア労組(AWU)は復職する労働者を代表して、262日間に及ぶストライキの調査と争議への介入に関するNSW委員会の報告を歓迎した。

 NSW委員会は、同委員会がこの争議を解決する管轄権を有するとの裁定を下し、直ちに仲裁に入るよう勧告、同委員会が仲裁手続きを進めている間に労働者を復職させた。

 ビル・ショートゥンAWU全国書記は、「NSW委員会が組合とNSW政府の主張を支持する裁定を下してくれてうれしい」と述べ、ボーイングに対し、独立仲裁委員の決定に従うよう訴えた。

 「労働者たちはボーイングにあらゆるものを要求していたわけではない。公正な1日分の仕事に対して、公正な1日分の賃金を得ようとしていたにすぎない。委員会が労働者を支持する裁定を下したことは、労働者の主張が不合理なものではなかったという証拠だ」と、ショートゥン全国書記は言う。

 25人の労働者とその家族は、合法的な争議行為を実施したあと最初にロックアウトされた2005年6月1日以降、無給でストライキを実施していた。

 委員会に提出された証拠によると、AWU組合員の年収は、オーストラリアの航空産業で働く同等の労働者(他のボーイング労働者を含む)よりも、最大で1万5,000オーストラリア・ドル(1万1,000米ドル)少なかった。

[2006年2月22日]