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国際実情調査団がメキシコを訪問

メキシコ政府による金属労組の不法な乗っ取りを調査する

メキシコ:
IMFは、鉱山労働者65人が死亡した悲惨な事故と、その後の政府による鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMS)の乗っ取りを調査するため、メキシコに代表団を派遣した。
 民主的に選出されたナポレオン・ゴメス・ウルティアSNTMMS書記長は、パスタ・デ・コンチョス鉱山の爆発事故を受けてメキシコ政府と鉱山会社を非難したあと、3月1日に強制的に解任された。政府は新しい書記長を任命し、SNTMMSとゴメス氏の全財産を没収した。
 SNTMMS組合員は、5月に開かれた組合大会でゴメス氏の指導的地位を圧倒的多数で支持し、同氏への支援を再確認した。
 IMFはILO条約第87号の違反を理由に、ILOにメキシコ政府を提訴した。
 「IMFは、このほどメキシコ政府が労働者の諸権利と結社の自由を攻撃したことに憤慨している。これはメキシコの労働運動において重要な転機になる可能性がある。政府に干渉されずに独立労働組合を結成する権利を守るために闘う労働者が増えており、国際経済界が注目している」と、メキシコ専門家のロバート・シュタイアートIMF航空宇宙担当部長は述べた。
 「金属労組を乗っ取ろうとする先ごろのメキシコ政府の行動が、よい結果を生んでいないことは明白だ。2人の労働者が殺害され、金属価格が高騰し、全世界で怒りが募っている。今回の実情調査団は、メキシコの状況をより深く理解し、スト実施中の金属労働者と連帯するうえで役立つだろう」とシュタイアート部長は付け加えた。
 この実情調査団は、国際的に認知された労働権とメキシコの労働法をメキシコ政府が公然と無視したことに、IMF加盟組織と国際労働運動が憤慨し、懸念が高まったことに対応する措置だ。
 代表団は組合員や組合幹部だけでなく、メキシコ政府高官とも会談する予定である。

[2006年6月26日]