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ICFTU年次報告書――1万人の労働者が組合活動を理由に解雇される

組合活動家は労働者の諸権利を擁護したために、殴打・逮捕・拘留・殺害されている。


全世界:
過去1年以内に、ほぼ1万人の労働者が労働組合への関与を理由に解雇され、およそ1,700人が拘留された。労働組合権の侵害に関する国際自由労連(ICFTU)年次調査によると、2005年、労働者の諸権利を擁護したために、1,600人を超える労働組合活動家が激しい攻撃を受け、9,000人が逮捕され、115人が殺害された。
 労働組合活動家にとって世界で最も危険な地域はラテンアメリカで、またしてもコロンビアが活動家に対する殺害、威嚇、殺害の脅迫で首位に立った。コロンビアでは、2005年に70人の組合活動家が殺害され、260人が殺害の脅迫を受けた。
 この調査の結果、コロンビアだけでなく、多国籍企業、特に域内の輸出加工区(EPZ)を拠点とする企業が、労働組合に対する激しい暴力・弾圧に加担していることが分かった。ICFTUによると、政府や労働審判所が労働法の尊重に責任を持って取り組んでおらず、不安定な雇用契約が大幅に増加していることも、この地域で労働権侵害が増加している一因だった。
 アフリカで組合行動に過度の弾圧が加えられていることが十分に裏付けられた。この報告書は、南アフリカ共和国で金属労組の組合員7人がスト実施中に負傷し、1人が入院した事件を取り上げた。ナイジェリアでも反組合的な感情が強く、新しい法律がスト権を厳しく制限している。ジンバブエでは、ZCTU(ジンバブエ労働組合総連合)が政府による介入・威嚇の標的にされ続けている。
 アジア太平洋地域では、8,000人の労働組合活動家が逮捕され、947人が殴打されたり拷問にかけられたりし、17人以上が殺害された。今回の調査で、この地域の政府・警察・使用者のほとんどが、自らの権利を主張しようとする労働者との建設的な対話を拒否していることが明らかになった。例えば韓国では、6月14日、韓国民主労総(KCTU)のキム・テクワン(Kim tae-kwan)が、サジョ・レミコン・セメント工場前でピケを張っていたときにトラックに轢かれて死亡した。
 中・東欧に関してはベラルーシが際立っており、独立労働組合BKDPが政府首脳部から絶え間ない干渉・妨害を受けていた。同時にルカシェンコ大統領は、政府が管理するFBPを国内唯一の労働組合にするという目標を推し進めるための法律を導入し、2004年の国際労働機関(ILO)調査委員会の勧告をまったく実施していない。
 中東では相変わらず暴力が猛威を振るい、労働組合が被害を受けている。2005年1月4日、イラク労働組合連合(IFTU)のハディ・サリー国際書記が、残酷な拷問の末に暗殺された。一方、機械・印刷・金属労組でも、殺害された組合員数が少なくとも10人に達した。
 「今年の報告書を見ると、特に女性、移民労働者、公共部門労働者に関して、実に気がかりな傾向が見られる」とライダー氏は述べ、「2005年の死亡者数は前年よりわずかに少なかったが、それでもなお、自らの権利を擁護する労働者に対する暴力・敵意が激化している」と付け加えた。
 報告書全文は、ICFTUウェブサイト(www.icftu.org/survey/)で英語版、フランス語版、スペイン語版、ドイツ語版を入手できる


[2006年6月12日]