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メキシコの鉱山労働者27万人が全国スト

賃上げと安全衛生改善を求めてスト中のカナネア労働者が、警察と軍に攻撃された。


メキシコ:メキシコ鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMSRM)の組合員は今日ストライキを行い、メキシコ北部のソノラ州にある国内最大の銅山、カナネアでスト中の労働者を先ごろ政府が攻撃した事件を糾弾した。
1月11日、メキシコ連邦労働委員会(JFCA)は、カナネアのストライキは不法であるとの裁定を下し、鉱山労働者に24時間以内の職場復帰を命じた。命令に従わない労働者は解雇される。裁定が下されてから数時間も経たないうちに、スト参加者を鉱山の入り口から立ち退かせるために、報告によると700人の州・連邦治安部隊が直ちに動員された。警察・軍は催涙ガスとゴム弾で労働者を攻撃した。20〜40人の鉱山労働者が負傷し、その他数人が拘留された。
翌日、裁判所は組合に、労働委員会の裁定に対する暫定的差し止め命令を認めた。これによってスト中の労働者は、裁判官が控訴を検討している間、解雇のおそれなく引き続きストを実施できる。SNTMMSRMは、裁判官が決断を下すまでに6週間ほどかかると予想している。
約1,500人のカナネア労働者は、グルーポ・メヒコ所有の鉱山における低賃金と劣悪な安全衛生条件をめぐって、2007年7月30日からストを実施している。2回の調査で70件を超える致命的な安全衛生上の危険が指摘されたにもかかわらず、同社は危険な状況を是正していない。
2007年10月、IMFはカナネアに実情調査団を派遣し、スト中の労働者に話を聞くとともに連帯の手を差し伸べた。現場の鉱山労働者は、不十分な換気、塞がれた非常口、壊れた設備について報告した。労働者たちは、カナネア鉱山は「第2のパスタ・デ・コンチョス」になると主張し、安全衛生基準違反が無視された結果65人の鉱山労働者が亡くなった、別のグルーポ・メヒコ所有鉱山を引き合いに出した。
同労組は政府に対し、ストライキへの干渉をやめ、まだ鉱山で警備に当たっている600人の警察官と兵隊の撤退を要求している。グルーポ・メヒコは、72時間以内にピケラインを離れて鉱山に戻った労働者に1万5,000ペソ(1,375米ドル)のボーナスを支払う、と申し出ている。
「スト破りのために警察と軍隊を利用した政府の行為は、メキシコの労働者の憲法上の権利と国際的な権利を明白に侵害している」と、マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は述べた。「これもまた、メキシコで自治労働組合が独立して自由に活動することを認めようとしない政府の姿勢を示す証拠だ」

[2008年1月16日]