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トルコの造船所でスト参加者が逮捕

ここ7カ月間に18人の労働者が死亡したトゥズラ造船所で、安全衛生改善を要求してスト中の労働者70人が逮捕された。


トルコ:ここ7カ月間に18人の労働者が死亡したトルコのトゥズラ造船所で、悲惨な労働条件に抗議する座りこみストに参加した造船所労働者70人が今日、逮捕された。

逮捕者の中には、造船所労働者を代表する組合リムーテル・イスの会長と書記長も含まれていた。

同労組はマスコミに声明を発表し、造船所雇用の不安定化が雇用条件悪化の大きな原因だ、と指摘した。「雇用も命も安全ではない……会社側は解決策を見つけると言っているが、口だけだ。法律は混乱状態、下請契約、柔軟な雇用、搾取、未登録労働者の雇用を容認している」と同労組は述べた。

「これらの法律を改正し、下請契約制度を廃止するとともに、社会保険負担を支払わず、安全な労働環境を確保するための措置も講じずに労働者を雇用する使用者を処罰しなければ、今後も死亡事故が続くだろう」

リムーテル・イスが提出した要求には、次の事項が含まれている。

●労働時間を1日7.5時間以下に抑えるべきであり、これを緊急に実施する必要がある。
●主たる使用者は、労働者の社会保険負担を全額支払わなければならない。
●主たる使用者は、賃金の支払いを保証しなければならない。
●衛生的な宿舎、更衣室、それに労働者が実施する肉体労働に適した食事を提供しなければならない。
●社会権(午前10時と午後3時の休憩を含む)を尊重する必要がある。
●すべての造船所が、労働者が代表を組織化できるようにしなければならない。

イスタンブールのトゥズラ地区には国内の民間造船所の95%があり、下請・不安定労働が当たり前になっている。同労組によると、トゥズラ地区の造船所では約1,000社の下請会社が活動しており、組合組織化、安全規則、労働者の基本的権利・保護の実施がほとんど不可能になっている。

リムーテル・イスは、下請労働者を代表して団体交渉権の獲得に努めている。同労組は主要造船会社に対し、下請労働者の社会保険料を支払い、必要な安全措置を下請会社任せにするのではなく自ら実施するよう強く要求している。

[2008年2月27日]