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産別組合がG20会議で雇用に関する議論を要求

産別GUF(ITGLWF、ICEM、IMF)は、今週開かれるG20会議で雇用に焦点を当てるよう要求している。


全世界:5,500万人の産業労働者を代表するグローバル・ユニオン・フェデレーション(GUF)3団体は、今週米国ピッツバーグで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議に対し、討議にあたって世界雇用危機を最優先するとともに、雇用喪失の世界的な蔓延を食い止める本格的な措置を考案するよう要求している。

これらのGUF、すなわち国際繊維被服皮革労組同盟(ITGLWF)、国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)およびIMFは、「真の回復を達成するには雇用の保持・創出を優先しなければならないことを、経済閣僚は直ちに認識する必要がある」と強調している。

3団体は共同で、「1年前に始まった危機は、今ようやく本格的な波及効果を及ぼし始めたばかりで、数千万人の雇用が削減されており、2010年と2011年にもさらなる雇用喪失が予想される」と述べている。ITGLWF、ICEMおよびIMFは、「労働者が職場に復帰するようになるまで、回復の話をしてもほとんど意味がない」という国際労働組合総連合(ITUC)が先週発表した声明を断固として支持している。

3団体は「ピッツバーグ宣言」に注意を促している。これはITUCとOECD労働組合諮問委員会(TUAC)、すべてのGUFによる声明で、国際金融機関に対し、雇用、人権・労働組合権、金融統治・市場規制強化に関する考え方を変えるよう要求している。

この宣言はG20に、2009年6月に立案された国際労働機関(ILO)のジョブズ・パクトを実施し、G20の持続可能な経済活動に関する憲章にILOのディーセント・ワーク・アジェンダを追加することを求めている。それによって、経済的・社会的な意思決定に、労働者の諸権利、社会的保護、政労使間の有意義な社会的対話を効果的に組み込むことになるだろう。

「ピッツバーグ宣言」はG20に対し、グリーン・ジョブの創出と、気候変動関連の措置の影響を不公平に受ける労働者の保護とを優先させることも要求している。

ニール・カーニーITGLWF書記長はこう述べた。「過去1年間にほぼ1,300万人の雇用が失われた繊維産業の労働者にとって、全世界的危機は底入れしつつあるどころか深刻化している。ディーセント・ワークと生活賃金を提供する持続可能な製造業を促進するために刺激策を継続・拡大し、消費者需要を回復させなければならない」

マンフレッド・ワーダICEM書記長は次のように付け加えた。「多くの国々で失業率が二桁に上昇していることを考えれば、いま回復の話をするのは時期尚早であるだけでなく、非人道的でもある。このG20会議をきっかけに、新しい社会モデルを確立しなければならない。まず、本格的なネオリベラル金融モデル改革を実施するとともに、この危機の悪影響を受けた何百万人もの人々のニーズに取り組む持続可能な社会計画を立案しなければならない」

「これまでの出来事を振り返ると、莫大な金額が金融機関に注入されながら、これらの機関は存続可能な産業経済に資金を供給するという自らの基本的な任務を果たしていない」とユルキ・ライナIMF書記長は述べた。「私たちは、各国政府が重要な雇用問題、特に不安定労働がもたらす逆境に取り組むことを要求する。この形態の労働は、世界中の先進国の産業構造を弱体化させ、発展途上国で平等な開発機会を台無しにしている」

ピッツバーグでのG20会議をは9月24〜25日に予定されている。ITGLWFは全世界で110カ国の労働組合217団体を、ICEMは132カ国の労働組合467団体を代表しており、IMFは100カ国で200を超える労働組合を傘下に収めている。

[2009年9月21日――アニタ・ガードナー]