IMFニュース・ブリーフス
安定した雇用が危機への回答

今日のディーセント・ワーク世界行動デーに際して、IMFはグローバル・ユニオンとともに、世界経済危機への不可欠な対応として安定した雇用を要求する。


全世界:世界中の金属労働者が今日のディーセント・ワーク世界行動デーに参加し、不安定雇用の撤廃を要求するとともに、国際労働組合総連合と一緒に世界の雇用確保を求めている。

世界金融危機に伴う悪影響が広がり続ける中で、不安定雇用に就く何百万人もの労働者が雇用を失った。臨時・派遣雇用の削減は、使用者にとっては労働者を減らす安上がりの簡単な方法となっている。だが労働者には苦境と不確実性をもたらし、労働者が自分の勤労生活をまったく管理できなくなってしまった。

景気回復に伴って、企業が臨時雇用への依存度を高め、かつての常用雇用を不安定雇用に置き換えていく大きな危険がある。

回復における雇用の重要性は、今日のディーセント・ワーク世界行動デーに発表された新しいITUC報告書の主題である。『雇用――回復への道:全世界的危機を終わらせるうえで雇用はいかに重要か』は、何千万人もの雇用を奪っている大恐慌以来最悪の世界経済危機に対応して、経済が社会的公正、環境維持、国際的に認知された労働者の権利の尊重、効果的な金融規制、人を最優先するグローバル・ガバナンスを足場にしなければならないことを説明している。

IMFを含むグローバル・ユニオンは各国政府に対し、危機に対応して雇用に重点を置くよう要求している。先月のピッツバーグG20会議で、グローバル・ユニオンは「1年前に始まった危機は、今ようやく本格的な波及効果を及ぼし始めたばかりで、数千万人の雇用が削減されており、2010年と2011年にもさらなる雇用喪失が予想される」と警告した。

G20首脳の声明(IMFウェブサイトに掲載)は、労働者にとっていくつかの明るい見通しを示しているが、残念なことに「最悪の時期は去り、回復が見えてきた」という自己満足的な仮定で始まっている。

第3回G20サミットに関するITUC/TUACの評価によると、このサミットの結果は「4月のロンドン・サミットの結果をいくぶん推し進めはしたが、ある程度の自己満足も見られ、いくつかの重要な分野で進展が遅れていた」。この評価の全文はIMFウェブサイトに掲載されている。

「IMFはITUCならびにOECD労働組合諮問委員会(TUAC)とともに、世界の至るところで発生している雇用喪失と雇用条件悪化の両面で、雇用問題が危険なほど過少評価され続けているように思える状況について、深い懸念を表明する」とユルキ・ライナIMF書記長は述べた。

「世界中で、IMFと金属労組・組合員が、すべての労働者のために安定した雇用と平等な権利を確保するために動員し、組織化し、交渉している」と書記長は述べた。

ITUC報告書『雇用――回復への道:全世界的危機を終わらせるうえで雇用はいかに重要か』の全文を読むには下記サイトを参照: http://www.ituc-csi.org/IMG/pdf/Finacial_crisis_EN-final.pdf

第3回G20サミットに関するITUC/TUACの評価を読むには下記サイトを参照: http://www.imfmetal.org/files/09100714222566/G20evaluation-FINAL.pdf

[2009年10月7日――アニタ・ガードナー]