IMFニュース・ブリーフス

ILO:雇用の保護・創出には銀行を救済したのと同じ決断が必要

雇用なき景気回復が、発表されたばかりのILO「世界の雇用情勢2010年版」から浮かび上がってくるシナリオである。

全世界国際労働機関が発表した2010年の雇用情勢データは、驚くには当たらない。それでも、就業率が近いうちに危機前の水準に戻る望みがまったくないことを示している点で、恐ろしいデータである。さらに、先進国でも発展途上国でも雇用条件が悪化の一途をたどっており、至るところで不安定な雇用制度への移行が見られる。

ILOは今日発表されたプレスリリースで、以下のとおり強調している。「全世界で脆弱な雇用に就く労働者は、世界の労働人口の過半数(50.6%)に相当する15億人以上に達すると推定される。2009年、脆弱な雇用に就く男女労働者は、前年より実に1億1,000万人も増えたと見られる」。失われた質の良い雇用は近いうちに回復しないだけでなく、保護が手薄で規制が緩く、しばしば「グレー」の労働市場セグメントに移行するだろう。

全世界的危機は、仕事を経済の中心に引き戻す機会となるべきであり、そのような機会になる可能性がある。労働組合は、質の高い雇用を中心とする新しい成長モデルを、危機からの脱出戦略とするよう要求している。刺激策や緊急措置は、労働市場の回復を目標に掲げるどころか、企業部門や銀行・金融部門の利益に焦点を当てている。刺激計画は景気回復の主要な目標・条件として、雇用創出に緊急に取り組まなければならない。

国際経済・金融機関は、危機の到来を予想することができなかった――あるいは、予想したくなかったのかもしれない。それらの機関の加盟国政府は、これに対して明らかに責任がある。各国政府は今こそ、規制の必要性をめぐる内容のない協議をやめ、危機から脱出するために具体的な措置を講じ、旧態依然に逆戻りしたり、市場の自主規制役割を再び盲信したりすることのないようにすべきである。
[2010年1月27日――カーラ・コレッティ]