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オリンピック・サプライチェーンで今なお労働者虐待

プレイフェア・キャンペーンは『オリンピックはフェアなのか? 2012年五輪サプライヤー工場で働く労働者の人権』で、スポーツウェア・ブランドが相変わらずサプライチェーンで国際基準に違反している現状を明らかにしている。

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全世界:  5月6日に発表されたプレイフェア2012キャンペーンの最新報告によると、アディダスやネクストといった大手トップブランドのために2012年ロンドン五輪用スポーツウェアを作っている労働者は、わずかな賃金しか支払われず、過剰な超過労働を強いられ、労働条件に関して不平を言えば即座に解雇されるおそれがある。

報告書『オリンピックはフェアなのか? 2012年五輪サプライヤー工場で働く労働者の人権』は、オリンピック・サプライチェーンと多国籍企業のサプライチェーンにおける多数の人権侵害を記載している。

この報告書は、ロンドン五輪向けにスポーツウェアや衣類、繊維を生産する労働者が、基本的人権に従って尊重と尊厳をもって扱われているかどうか調べ、次のような幅広い労働者の人権侵害に関する調査結果について、踏み込んだ情報を提供している。

●不安定労働 ●わずかな賃金 ●強制的な超過労働 ●組合つぶし ●劣悪な労働条件

国際オリンピック委員会(IOC)はプレイフェアの要求を無視しており、プレイフェア代表と一連の会合は開いたが、要求実現に向けた具体的な措置はほとんど講じていない。ロンドン五輪組織委員会(LOCOG)は、労働者の権利を保護するために他のどのオリンピック主催者よりも踏み込んだ対策を講じているが、この報告書の調査結果が示しているように、それでもまだ十分ではない。

「北京オリンピックの前に、プレイフェアは企業に対し、サプライチェーンですべての労働者の人権の尊重を確保するために措置を講じるよう要求した」とクラウス・プリーグニッツ国際繊維被服皮革労組同盟(ITGLWF)書記長は述べた。

「4年後の今もなお、結社の自由に対する権利の否認、わずかな賃金の支払い、不安定労働の幅広い利用が常態となっている。企業は対策を強化し、組合と協力しながらサプライヤー工場で成熟した労使関係システムの発展を支援する必要がある」

関連リンク:
The Report
London 2012 Olympics signs agreement with Playfair 2012 campaign
Play Fair website
[2012年5月4日 チェリッセ・フレドリクス]