2004年闘争推進集会   鈴木議長挨拶・とりまとめ要旨<要旨>

 グローバル経済下における、あるいは21世紀に生きる企業のあり方を考えるときに、人こそがその命運の鍵を握るものとの確信を持っている。従業員は企業にどのように向き合うのか、企業はその従業員・組合員の総力をいかに高めて、熾烈な経済環境の下で、企業の永続・発展を期していくのか。それぞれの立場から話を伺い、2004年闘争の山場を迎えてのパネル討論を行った。

社会は個の尊重へと動いている。一方、企業においても、個人においても、熾烈な競争社会になっており、そうなれば勝者と敗者を生むことにならざるを得ない。このときに生まれてくる個人の弱者に手を差し伸べることに、社会としても、労働組合としても力点を置くべきであるとのお話であった。個が尊重される時代にふさわしい、社会的なシステムや、企業組織のあり方、あるいは労働組合運動がどういうものなのかが突きつけられている。

市場のパイが縮小し、産業によっては縮小していく時代となっている。供給過剰時代においては企業の淘汰が避けられない。社会全体でニュービジネスが多く生まれ、雇用を移動することによって、社会全体で雇用を守っていくシステムの構築が重要である。金属労協としても、そうした視点をおいた政策・制度の取り組みが必要であると改めて認識した。

労働組合の役割は、個を大事にし、一生懸命やっても結果が出ないときに、どのように個人に手を差し伸べるかに労働組合運動のウエイトを置くべきだと指摘がされた。組織においてピラミッド型が通用しないのは、労働組合も同様である。個の尊重や結果としての多様性というものは、労働組合運動の前提であった「統一性」「団結」とは対立する概念であるが、それをどのように整合性を取りながら運動していくかが私たちに課せられた問題である。

本日のパネルディスカッションの発言一つ一つを、経営対策、産業政策への示唆、ヒントとして、今後の労働組合活動に生かしていただくことができれば、主催者冥利に尽きると考える。