第6回戦術委員会確認事項
2005年3月16日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)
 金属労協は、集中回答日である本日11時15分より第6回戦術委員会を開催し、現時点での回答に対する見解、ならびにJC共闘の今後の進め方を次のとおり確認した。 
2005年闘争は、日本経済は底堅く推移するものの、産業・企業ごとの業績や先行き見通しにバラツキが拡大する中での取り組みとなった。
われわれは、これまでの構造改革に対する組合員の協力・努力への成果の還元、および今後へ向けた組合員の活力維持のために、「人」への投資を強く主張し、基幹産業である金属産業にふさわしい総合労働条件の構築に向けて取り組みを展開した。
しかしながら経営側は、組合員の協力・努力を認めつつも、企業をとりまく環境が先行き不透明であることを強調し、最終局面まで慎重な姿勢を崩さない中での交渉となった。
 こうした経営側の主張に対し、われわれは第5回戦術委員会の最終方針に基づいて、粘り強く取り組みを展開してきた。
集中回答日である本日11:30現在、金属労協集計対象A組合65組合中、49組合で回答を引き出した。
 われわれは、今次闘争方針において、グローバルな競争が熾烈化する中で、金属産業が国際競争力を高めていくためには、競争力の源泉である勤労者が能力を発揮し、やりがいを持って働くことのできる総合労働条件の確立が不可欠であることを確認し、本日までの交渉において強く主張してきた。本日までに引き出した回答は、産業・企業の実態を踏まえつつ、「ものづくり産業」「金属産業」という共通の基盤に立ち、総合労働条件改善に粘り強く取り組んだ結果引き出したものであり、JC共闘として一定の成果を引き出すことができたものと受け止める。

賃金については、本日回答を引き出したすべての組合で、定昇の実施等によって賃金構造維持分を確保し、現行賃金水準を維持することができた。このことは、組合員の生活安定を図り、日本経済の景気回復基調を着実なものとする取り組みとして、一定の役割を遂行し得たものと考える。また、個別賃金水準を明確にした取り組みによって、大くくり職種別賃金水準形成の具体化に向けた一歩を踏み出すこととなった。加えて、賃金水準や企業の賃金実態の把握を重視する取り組みによって、850を超える組合が賃金格差改善や賃金体系是正に取り組んでおり、本日段階でも、有額回答を獲得あるいは感触を得た組合も出始めている。今後これらの組合をJC共闘全体で支え、要求実現を図っていく。
一時金は、職場の期待を背景に積極的な交渉が展開され、多くの組合で水準の引き上げを果たすことができた。今後、この成果を中小労組等の取り組みに結びつけるべく共闘を推進していく。近年、企業業績を一時金に反映する傾向が強まっているが、金属労協は、組合員の生活安定を図るべく、最低獲得水準である年間4カ月を確保し、さらに上積みを求める取り組みを強めていくこととする。
60歳以降の就労確保や、次世代育成支援対策推進法、改正育児・介護休業法への対応、年間総実労働時間短縮や働き方の改善に向けた取り組み、非典型労働者の受け入れに関する労使協議については、多くの企業連・単組で職場の実態を踏まえた労使の真摯な論議が行われ、労働条件の充実を図ることができた。このことは、金属産業が競争力の要である技術・技能の継承・高度化を図り、仕事と生活の調和のとれた働き方を実現する仕組みづくりを前進させたものと評価する。
JCミニマム運動は、3年目の取り組みとなる。「JCミニマム(35歳)」と企業内最低賃金協定については現在集約中であるが、本日以降回答を引き出す中小労組においても、JCミニマム運動の考え方を徹底するとともに、賃金決定後も企業内最低賃金の協定化とこれに連動した法定産業別最低賃金の新設・金額改正を推進していく。さらに、賃金実態の全体かつ明確な把握などに注力し、21万円以下で働く金属産業労働者の解消に向けた取り組みを確立していく。そのことによって、金属産業で働く勤労者全体の賃金の下支えを図るべく取り組みを強化していく。
各産別は、上記の総合労働条件改善の成果を踏まえ、JC共闘体制を堅持し、交渉を継続する企業連・単組を支えていく。連合の中核部門としての役割と責任を自覚し、各産別の指導のもと、賃金構造維持分の確保と一時金の年間4カ月確保によって生活の安定を図りつつ、総合労働条件の維持・向上に向け、交渉を展開していくこととする。

次回第7回戦術委員会は、4月4日(月)10:00から開催する。

以上