第6回戦術委員会確認事項

2009年3月18日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)



金属労協は、本日午前11時より第6回戦術委員会を開催し、集計登録組合を中心とする回答の受け止め、ならびに後に続く中堅・中小労組におけるJC共闘の進め方を以下のとおり確認した。

  1.  金属労協は2009年闘争において、@日本経済を支える金属産業にふさわしい賃金水準の実現と実質生活の維持、働く意欲と士気の高揚につながる賃金改善、A金属労協の闘争方針および連合方針を踏まえたワーク・ライフ・バランスの実現、B非正規労働者の雇用の安定に向けた最大限の努力と労働条件の改善、C生活の維持を図れる一時金の水準確保などにより、金属産業の魅力を高めるとともに内需拡大にも寄与する成果をもとめ全力を傾注して取り組んできた。

  2.  交渉における我々の主張点は以下のようなものであった。
    賃金改善:世界同時不況の中で、輸出比率の高い金属産業は企業業績が急激に厳しくなっているが、企業基盤の強化と人材の確保、労働条件向上への投資を表裏一体で着実に進めなければならない。
    消費者物価が上昇し家計の負担が増しており、物価上昇による実質賃金の低下を補い、生活の維持と内需を下支えするために賃金改善が必要である。
    一時金:一時金は家計を支える大きな柱であり、業績が厳しい中にあっても生活の維持を図れる水準が必要である。
    企業内最低賃金(産業別最低賃金): 企業内最低賃金(産業別最低賃金)の水準引き上げと協定締結拡大は、非正規労働者の底上げにも繋がるものであり、企業の社会的な責任である。

  3.  我々の主張に対して経営側は、「経営が危機的な状況の中で賃金改善には応じられない」とする頑なな姿勢とともに、一部では「賃金構造の維持すら困難」など、これまでにない異例の主張もあった。
     一時金についても、業績を直視すべきであるとして大幅な減額のみならず、生活維持に不可欠な最低レベルをも引き下げる姿勢を見せるなど厳しい主張に終始した。

  4.  最終局面においても労使の主張が全くかみあわず、膠着状態の中で本日の集中回答日を迎えた。経営側の回答は、我々の要求趣旨からすれば極めて残念なものと言わざるを得ないものであったが、粘り強い交渉努力により、ぎりぎりの結果に結びつけたものである。
     本日12時現在、集計登録組合を中心に22組合が回答を引き出しているが、すべての組合で組合員の生活と活力維持に繋がる賃金構造維持分を確保し、一部の組合では賃金改善の回答を得つつある。
    一時金については、収益状況を反映して大半の組合が大幅な減額となったが、状況の厳しいところにおいても、生活給としての意味合いを踏まえた最低限のラインを死守した。
     その中で、企業内最低賃金(産別最低賃金)については、各産別において協定水準の引き上げや協定締結拡大が進んだことは、非正規労働者の賃金の底上げに大きく寄与するものであり、労働組合として一定の社会的役割を果たすことができた。

  5.  今次闘争は、要求検討段階での想定を遙かに上回る急激な経済状況の悪化のもとで取り組むこととなった。  本日示された回答は、我々の要求趣旨からすれば極めて残念なものであるが、各産別の指導の下、企業連・単組が職場と一体となり懸命な努力によって引き出した結果であり、組合として生活の安定を確保する最低限の役割を果たしたと受け止める。
     引き続いて回答を引き出す「中堅・中小登録組合」についても賃金改善にむけて努力するとともに、いかなる状況であっても賃金構造維持分の確保、生活の安定が図れる一時金の確保に全力を傾注する。企業内最低賃金(産業別最低賃金)についても、社会的な責任も踏まえ水準の引き上げと協定締結拡大をはかる。  なお、「中堅・中小登録組合」の回答については順次回答状況を公表し、JC共闘として後続組合に対する支援を強化する。3月25日(水)には、回答状況について取りまとめを行い、16時から記者発表を行う。

  6. 第7回戦術委員会は、4月8日(水)に開催する。

以 上