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第64号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年2月28日)

アジア太平洋執行委員会、バングラデシュで投獄されている労働組合員の即時釈放を要求

2017-02-14

 

バングラディシュでの労働組合員への弾圧に対して非難決議を採択したアジア太平洋執行委員会(シンガポール)

インダストリオール・グローバルユニオン・アジア太平洋執行委員会は2017年2月10日にシンガポールで会議を開いた。これは昨年10月の第2回世界大会以降の初会合であり、アクション・プランの実施促進に向けて進展状況について報告しあうと共に、課題解決について話し合った。

 同執行委員会では、バングラデシュにおける労働組合員の弾圧に対して非難の決議を行った。同国では最低賃金の引き上げを求める闘いの結果、35人の労働組合員と労働者が逮捕されるに至っている。

 委員会は、獄中の組合員全員を無条件で即時釈放するようバングラデシュ政府に求める決議を全会一致で採択した。労働組合権と生活賃金の完全な承認を得るまで、この闘争において同志を支援し続けることも約束した。

 地域共同議長の相原康伸議長(JCM/日本)とミシェル・オニール氏(TCFU/オーストラリア)が会合の司会を務め、シンガポール・インダストリオール協議会のシリル・タン議長が参加者を歓迎した。

 2人の共同議長は新たに選出された執行委員を祝福した。ミシェル・オニール共同議長は世界の労働組合運動が直面している課題を強調し、次のように述べた。

 「全世界とアジア太平洋地域で人種差別と外国人排斥の攻撃が悪化しており、この地域における右翼政権の台頭と労働法の規制緩和で労働者の権利が猛攻にさらされている」「執行委員会には、労働者の権利を守り、人々を団結させ、労働者に対する猛攻撃をやめさせる重大な責任がある。労働者は地域全体で団結して闘っており、この責任を果たす大きな能力があることを示している」

 

歓迎の辞を述べるシリル・タン ・シンガポール・インダストリオール協議会議長

相原康伸共同議長は次のように語った。

「この地域のインダストリオール加盟組織は非常に困難な状況に直面している。韓国の加盟組織は民主主義を回復して労働者の権利を守るために闘っている。バングラデシュでは、労働組合員が賃上げを要求したために投獄されている。パキスタンでは、ここ数カ月間で30人以上の船舶解撤労働者が亡くなった」「これらの国々で労働者の闘いを支援するために国際連帯を構築する必要がある」

 サブリージョンの代表として、韓国金属労組(KMWU)のキム・サンギュ委員長、インド全国鉱山労連のG・サンジーバ・レディー氏、統一衣料労働者連盟(SGSF)のナズマ・アクテル氏、インドネシア金属労連のボエナディ・プリハナニ氏から、それぞれの国における労働者の闘い、業績および将来の課題について報告した。

 報告者たちはインダストリオール加盟組織に、各国の労働者の闘いに連帯を表明してくれたことを感謝し、継続的な支援を求めた。民主主義と労働者の権利を守るために韓国全体で実施された労働者と国民の驚くべき動員の姿とインダストリオールの連帯を記録したビデオが、KMWUの方から上映された。

 ジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長が、2016年の世界大会で採択されたアクション・プランの実施における進展状況について報告し、次のように述べた。

 「インダストリオールは、世界的ブランドと多国籍企業が労働者の権利にもっと責任を負うことを確実にするために、サプライチェーンに関する国際論議に強い影響を与えている」

 「グローバル枠組み協定の効果的な実施は主な優先課題の1つだ。合同構築プロジェクト、不安定雇用との闘い、組合活動への女性参画が重要な活動分野となっている」

 「ACTイニシアティブを通して地域の標的国で生活賃金を求める産業別団体交渉を確立しようとする努力が、間もなく始まる」

「インダストリオールは、スリランカ、韓国、バングラデシュでも組合権をめぐる紛争に深く関与しており、労働組合権の弾圧に反対するためにILOやEUなど多方面で取り組んでいる」

 次に、インダストリオール地域事務所活動報告として、アニー・アドビエント東南アジア地域事務所長とアプールバ・カイワール南アジア地域事務所長から、過去および将来の計画に盛り込まれた地域活動について報告した。

 インダストリオールの戦略目標は地域事務所による活動の指導原理となっている、と両所長は語った。組織化プロジェクトは加盟組織が組合員数を増やすうえで役立っている。

 全国的問題に関するキャンペーンの形での国別介入、ストップ不安定雇用キャンペーン、男女平等・母性保護キャンペーン、団結会合、労働組合ネットワーク、グローバル枠組み協定の実施、訓練ワークショップ、資料の発行により、労働者の権利を守る加盟組織の能力が高まった。

 アジア太平洋女性委員会の共同議長を務めるSGSFのナズマ・アクテルが、前日の女性委員会で下された主な決定を報告した。女性委員会はインダストリオール指導部ポストと国内・地域・世界レベルの意思決定機関で女性参画率40%をあくまでも追求する、とアクテル共同議長は述べた。

 次のアジア太平洋執行委員会は2018年初めに開催される。

 

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