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第65号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年3月30日)

オーストラリア労組、中国製鉄鋼に関する措置を要求

2017-02-28

 

AWUによる中国のダンピングに関するパネル・ディスカッション

 インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のオーストラリア労組(AWU)は全国会議で、中国の鉄鋼ダンピングに対して法的措置を取ると発表した。

 新たに選出されたダニエル・ウォルトン全国書記は、AWUは政府のアンチ・ダンピング委員会に苦情を申し立てると述べた。同委員会には、ダンピングに対処するために関税を課す権限がある。

「中国のダンピングはオーストラリアの製造業部門を崩壊寸前に追い込んでいる」とウォルトン全国書記は言う。「不正貿易の余地があってはならない」

 オーストラリア政府はオーストラリア製鉄鋼をまったく利用しないインフラ計画に巨額の資金を投じている、とウォルトンは説明した。同時に、サウスオーストラリア州のアリウム鉄鋼工場が昨年財産管理下に置かれたため、8,000人を超える労働者が不確かな将来に直面している。

 AWUは今週、クイーンズランド州ゴールドコーストで全国会議を開催する。中国のダンピングに関するパネル・ディスカッションで、ダンピングが国内市場に及ぼす影響や対ダンピング戦略をめぐって専門家が討議したあと、代議員はアンチ・ダンピング決議を可決し、販売価格が生産費を下回る1億トンの鉄鋼で国際市場を氾濫させている中国を非難した。

 この決議は委員会に中国製鉄鋼に高率の関税を課すよう求め、「ダンピングは不正行為」と明記している。

 鉄鋼業は世界中で危機に陥っており、インダストリオール加盟組織は鉄鋼業とこの産業が提供する雇用を守るために行動を起こしている。昨年11月、数千人の鉄鋼労働者がブリュッセルを行進し、ダンピング対策を要求した。

 ドイツ・デュースブルクのインダストリオール素材金属会議でアクション・プランが採択され、加盟組織に対し、不公正貿易慣行を理由に中国の市場経済地位に反対する施策を調整するよう義務づけた。オーストラリアは2004年、主要先進国として(ニュージーランドに次いで)2番目に中国に市場経済地位を与え、これは中国のダンピングに取り組むための政策選択を著しく妨げている。

 インダストリオールは、3月23~24日に開かれる次のOECD鉄鋼委員会に参加し、加盟組織とともに同委員会ならびに鉄鋼の過剰生産に関するG20フォーラムで闘い、ダンピング対策を要求する予定である。

 AWU全国会議に出席したジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は次のように述べた。

「ある国が他国の労働者とその雇用、家族、地域社会を犠牲にして自国の産業を支援するという状況は、自由貿易でも公正貿易でもない。AWUは自国政府がダンピングに立ち向かうよう要求することによって、重要な一歩を踏み出した。私たちはAWUを支援し、世界中で鉄鋼業の加盟組織と連携しながら、労働組合の統一的対応を構築する」

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