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第65号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年3月30日)

朴韓国大統領の罷免で組合が勝利

2017-03-10

汚職事件への関与で朴大統領を罷免するという憲法裁判所の決定を歓迎する韓国のインダストリオール加盟組合メンバー

 韓国のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は今日、汚職事件への関与で朴槿恵大統領を罷免するという憲法裁判所の決定を歓迎した。

 インダストリオール加盟組織と韓国民主労総(KCTU)の主導による多数の集団デモが、朴大統領を弾劾するという議会の決定を促す大きな要因となり、この決定は3月10日に裁判官に支持された。

 首都ソウルでは、人々が屋外に集まって大型スクリーンで公判の成り行きを見守った。明日、裁判所の決定を支持する集会が開かれる。

 インダストリオールに加盟している韓国金属労組のスポークスパーソンは次のように述べた。

「数カ月に及ぶ毎週の大規模な抗議行動と長期にわたる法的措置を経て、憲法裁判所が全員一致で弾劾を成立させたことをうれしく思う」

 インダストリオールと世界中の加盟組織は、朴大統領追放の要求にあたって韓国の組合を支援してきた。朴政権下では、労働組合員が投獄され、組合事務所が強制捜査を受け、労働者の権利を攻撃する労働政策が実施された。

 今日の判決を受けて、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう語った。

「朴大統領を罷免するために徹底したキャンペーンを繰り広げた韓国の加盟組合を祝福する。韓国の同志の闘いを支援するために行動を起こした世界中の多くの加盟組織にも感謝する。朴大統領の失職を受けて、私たちは次期大統領に対し、投獄されている労働組合員を直ちに釈放し、今後は労働権を尊重するよう要請する」

 韓国の労働組合は、この国の政治とビジネスを支配している腐敗した同族会社(財閥)システムの改革を求めている。

 KCTUのスポークスパーソンは以下のとおり述べた。

「今回の判決は、労働組合が組織した闘いが正当であったことを示している。KCTUは今後、新政権に対し、投獄されている労働組合員全員を釈放し、国際労働基準と労働権に対する韓国の義務を果たすよう訴えていく」

 ハン・サンギュンKCTU委員長は、朴大統領に対する抗議行動を主導したために3年の刑に服している。

 朴氏は一般市民として、今度は汚職事件との関連で刑事罰に問われる可能性がある。サムスンや現代をはじめとする韓国の有力コングロマリットは、朴氏の親友である崔順実が管理する財団に多額の賄賂を払ったという理由で非難されている。

 インダストリオールは頻繁な連帯ミッションによって、朴政権下で韓国の組合を幅広く支援してきた。2016年11月、インダストリオールは韓国人100万人とともに行進して労働権と民主主義を要求し、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は韓国金属労組が組織した集会で何十万人もの群衆を前に演説した。

 2016年10月のインダストリオール大会での決議を受けて、インダストリオール加盟組織は韓国大使館や韓国企業での行動実施、朴大統領への抗議文の送付、ソーシャルメディアでの韓国の労働組合員への連帯表明によって、11月30日の韓国ゼネストを支援した。

 韓国では今後60日以内に新大統領が選出される。

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