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第65号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年3月30日)

フィリピンで出産休暇の延長に向けて大きく前進

2017-03-08

 

フィリピンでの出産休暇延長の決定を受け、母性保護改善への大きな一歩を支持するフィリピン・インダストリオール女性組合員

フィリピン上院は3月6日、有給出産休暇を120日に延長(シングルマザーの場合はさらに30日を追加)する法案の承認を採決した。フィリピンのインダストリオール女性組合員は、母性保護の改善に向けた大きな一歩を支持している。

 下院が出産休暇を100日に延長する法律を承認したのに対し、上院は最後の第3読会でこの法案を承認した。現行規定では、フィリピンの法定出産休暇は正常分娩の場合は60日、帝王切開の場合は78日である。今後、この件に関する共通案を作成するために上下両院協議が行われる。

 上院での法案通過に先立って、フィリピンのインダストリオール加盟組織は、オランダの労働組合組織FNVモンディアールの出資によるインダストリオール東南アジア・ジェンダー/母性保護プロジェクトの一環として強力なキャンペーンを実施した。

 新法の起草にあたって、インダストリオールの女性代表が専門作業部会に参加した。フィリピンのインダストリオール女性組合員によるロビー活動は、国家貧困撲滅委員会の議題に母性保護に関する ILO第183号条約の批准を盛り込ませることにも成功した。

 ILO第183号条約の批准は、2016年12月に終了した17カ月のインダストリオール/FNVモンディアール東南アジア・プロジェクトの基本目標だった。その他の目標は、インダストリオール加盟組織における女性・ジェンダー機構の強化と、組合員数の増加である。

 このプロジェクトで、ミャンマー産業労連は組合員数が1万1,232人から1万3,486人に増え、その80%が女性である。ミャンマー鉱山労連の組合員数は2年足らずで3,785人から7,452人へとほぼ倍増し、30%が女性組合員である。タイではプロジェクト開始以降、PTTU、EGAT、CWUAおよびTWFTで女性組合員がおよそ30~40%増加している。タイのインダストリオール女性委員会は首相にも方針書を提出し、ILO条約第183号批准への労働者の支持を概説した。

 インドネシアでは、インダストリオール加盟組織FSPMIが指導部ポストで女性への40%の割り当てを採択した。同国ではSPNやSEMWUなど他の加盟組織も2017年に同様の措置を講じる計画を立てている。インドネシアのインダストリオール女性組合員は、ILO第183号条約の批准をめぐって保健省とのやりとりも再開し、母性保護と給付の改善を要求している。一方、インダストリオール加盟組織はインドネシアの94工場に女性委員会を設置し、女性の訓練と女性関連問題に関するキャンペーンの任務を与えた。

 ジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は次のように語った。

「インダストリオール東南アジア・ジェンダー/母性保護プロジェクトは、関与した女性たちの大変な努力とFNVモンディアールによる支援のおかげで、短期間に信じられないほどの成果を達成した。上院での勝利がフィリピンに新しい法律をもたらし、母親になったばかりの働く女性全員の生活を大幅に改善してくれるよう心から願っている」

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