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第68号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年6月30日)

フリーポート・インドネシアの精練工場で侵害続く

2017-06-01

インドネシアのPTスメルティング前で平和的な座り込みデモを実施するスト参加者

 PTフリーポート・インドネシアの論議を呼んでいるグラスベルグ鉱山の銅精鉱に大きく依存している東ジャワの精練工場で、労働争議が発生した。

 フリーポート・マクモラン傘下のPTフリーポート・インドネシアと三菱マテリアルが共同で所有・運営するPTスメルティングで、300人を超える労働者が2017年1月19日にストを実施したあとレイオフされた。

 PTフリーポート・インドネシアは、2016年にPTスメルティングの精鉱需要のほぼ90%を供給した。

 PTスメルティングは、西パプアの大規模なグラスベルグ金・銅山で2,000人の労働者を解雇したときと同様に、この309人の労働者はスト参加によって自発的に辞職したと主張している。ストに参加した労働者全員が、それ以来賃金を支払われていない。同社は、その後死亡したスト参加者の1人の遺族に給付・権利を与えることも拒否している。

 PTスメルティングが組合と協議せずに賃金に関する労働協約に違反したため、争議が発生した。インダストリオール加盟組織のインドネシア金属労連(FSPMI)は、この工場で労働者を代表している独立組合の1つである。

 PTスメルティングは、現地労働当局の調停要件を満たすことができず、レイオフに関する争議をグレシックの労使関係裁判所に付託した。組合幹部と組合員を含む309人の労働者が法廷に召還されており、5月31日に裁判が始まる。

 PTスメルティングはインドネシア国家人権委員会による調停の申し出も拒否した。

 組合は近藤比呂志PTスメルティング取締役社長に対し、紛争解決に向けて対話を始めるよう求めている。組合側の要求は、不法に解雇された309人の労働者を復職させ、労働協約と共同労働協約に従うことである。組合は、PTスメルティングが亡くなった労働者アグス・セティアワンの妻子に支払うべき給付を支給することも要求している。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
「私たちはPTスメルティングに対し、300人以上の労働者に対する訴訟を直ちに取り下げ、復職させるよう要請する。インドネシア政府も介入し、争議がこれ以上悪化しないようにするとともに、無神経な労働契約の打ち切りを阻止しなければならない。この行為は、スト権を含む国際労働基準を完全に侵害している」

事実:
PTスメルティングの所有者には、PTフリーポート・インドネシア(25%)、三菱マテリアル(60.5%)、三菱商事ユニメタルズ株式会社(9.5%)が含まれている。

PTフリーポート・インドネシアは、2016年にPTスメルティングの精鉱需要の88%を供給した。

PTスメルティングは、PTフリーポート・インドネシアの生産高の約40~50%を占めている。

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