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第68号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年6月30日)

航空宇宙労組、反組合キャンペーンに対抗

2017-06-21

航空宇宙ネットワーク会議に出席したヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長(左)と
ボブ・マルティネス共同部会長(中央)、マリア・ペレス共同部会長(右)

 世界で最も有力な航空宇宙労組が2017年6月19~20日にフランスのパリに集まり、インダストリオール・グローバルユニオン・ネットワーク会議を開いた。

 北米、ヨーロッパ、南米、アフリカ、アジアの航空宇宙労組が、サウスカロライナから上海、モロッコ、アラバマ州モービルまで、世界中で未組織労働者を組織化するための新しい革新的な戦略について議論した。

 約65人の参加者が、全世界数百万人の航空宇宙労働者の賃金・給付を改善し、雇用と退職後の生活を保障する労働協約の取り決めをめぐり協議した。

 ボブ・マルティネス共同部会長・IAM国際会長が次のように述べた。
「組合の力を通して世界の航空宇宙労働者全員に公正と尊厳をもたらすための取り組みを、引き続き強化していく機会がある。これはグローバルな航空宇宙会社に匹敵するグローバルな航空宇宙労働者運動を確立するチャンスだ」

 この会議で参加者は、反組合的・反労働者的な過激主義が高まっており、政府や企業に支配されない真の組合に参加する基本的人権をつぶそうとしている現状について討議した。参加者たちは、生産国の内外で組織労働者の仕事が、多くの場合、組合結成権や団体交渉権といった基本的人権が承認あるいは実施されていない中国のような国々の未組織労働者に、外部委託される状況が続いている問題も取り上げた。また、国際貿易ルールを守らず、公正貿易と平等な競争条件ではなく、航空機販売の見返りに技術や生産の移転を要求する中国のような国々との不公正競争をめぐっても議論した。

 参加者は、世界の2大商業航空宇宙会社、ボーイングとエアバスの経営陣による反組合キャンペーンに焦点を合わせた。ボーイング経営陣は、世界で最も悪名高い組合つぶし企業の先例に倣って、サウスカロライナ州で労働者によるIAM加入を阻止するために数百万ドルを費やした。エアバス経営陣は出し抜かれまいと、インダストリオールとのグローバル枠組み協定に直接違反して、アラバマ州で反組合キャンペーンを展開している。

 参加者はアラバマ州の現状を考慮して、インダストリオールにエアバスとの協定の見直しを要求。インダストリオールに対し、エアバスとボーイングで組織化キャンペーンを調整することも求めた。

参加者は全加盟組織に、次のことに改めて取り組むよう求めた。

  • すべてのグローバル航空宇宙会社で効果的なネットワークを構築するとともに、同盟する加盟組織が各国の組織化・団体交渉の展開について電子的に情報を提供し合える通信システムを開発する。
  • 多国籍企業とのグローバル従業員代表委員会を設置し、機会を生み出す。
  • 貿易交渉担当者に対し、販売の見返りに技術・生産移転を要求する慣行を厳しく禁止する措置の導入を促す(特に中国のように、そのような慣行を乱用する国々について)。
  • 引き続き航空宇宙労組の地球規模の同盟を発展させ、協力の拡大、グローバル・キャンペーン実施能力の強化、集団的な力の構築に効果を上げる革新的な形態の国際連帯を生み出す。
  • 2年前にスペインのエアバスでスト権の行使を理由に組合員が攻撃された事件など、反組合的・反労働者的な取り組みと闘う。
  • 国連やILO、OECDといった政府間・国際機関を必要に応じて十分に活用し、航空宇宙部門の使用者に国際基準を守らせ、国際的期待に応えさせる。

 代議員は退任するブライアン・コーラー航空宇宙担当部長に、この部門のために働いてくれたことを感謝し、後任者と緊密に協力することを約束した。

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