広報ニュース

第70号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年8月31日)

UAW、日産で脅迫・威嚇に遭い投票に敗北

2017-08-07

今年3月に開かれたカントンの労働者を支援する集会に5,000人以上が集結した

 脅迫や威嚇、偽情報による激しい反組合キャンペーンを受けて、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織UAWは、米ミシシッピ州カントンの日産工場で組合結成をめぐる選挙に2,244票対1,307票で敗れた。

 「組合代表を求めて地域社会や公民権運動の指導者とともに根気強く闘った日産の勇敢な労働者は、UAWによって代表されるために努力したことを誇ってしかるべきだ」とデニス・ウィリアムズUAW会長は述べた。「今回の選挙結果は、これらの労働者とUAW、全国各地で働くアメリカ人にとって一歩後退だったが、決して敗北と考えてはならない」

 8月3日、4日の2日間の選挙が発表されるとすぐに、日産はカントン工場で反組合戦術を強化した。監督者はグループ会議や一対一の会談で反組合的なメッセージを伝え、従業員に圧力をかけた。同社は工場内で反組合的なビデオを放映して労働者に「反対票」を指示し、大掛かりな反労組テレビ広告キャンペーンを開始した。

 「私たちはカントンの結果に失望しているが、驚いてはいない」とゲーリー・キャスティールUAW書記長・財政部長/輸送部門担当部長は言う。「日産は組合問題に関して中立を保っていると長年にわたって主張していながら、私がこれまでの人生で目にした中で五指に入る違法かつ非倫理的な反組合キャンペーンを実施した」

 UAWは、この工場で従業員代表を求めて14年前から闘ってきた。

 同労組は、8月4日の投票終了直前に全国労働関係委員会(NLRB)に提出した最新の苦情の中で、追加の全国労働関係法違反を申し立てた。例えば、労働組合活動の広範囲にわたる監視、日産カントン労働者がUAW代表に賛成票を投じれば給付を廃止するという脅し、日産労働者の代表になったら解雇するというある女性労働者に対する脅迫である。

 労働者によれば、日産はリース車を回収するとまで主張し、その一方で、反対票を投じたら長年の念願である昇給と特別自動車購入制度を提供すると申し出た。この間、休憩室で絶えず反組合ビデオが流された。

 米上院議員のバーニー・サンダースはガーディアン紙に次のように書いている。「これは過去数十年間で最も悪質・違法かつ反組合的なキャンペーンとして歴史に残る可能性がある。労働者は、この種の脅迫的なキャンペーンに我慢したり、ただ組合に賛成の投票をするために地雷原を歩かされたりする必要はないはずだ」

 カントンでの組合承認を求めるUAWのキャンペーンは、公民権団体や地域社会、宗教団体、ハリウッドの有名人から支援を受けた。今年3月には、カントンの労働者を支援する集会に5,000人以上が参加した。

 フランス、ブラジル、日本のインダストリオール加盟組織は、カントンの日産工場で労働組合を設立しようとするUAWの取り組みに連帯を表明し続けており、今回の選挙を監視するために立ち会った組織もある。日本の加盟組織JAWは新しい日産CEOの西川廣人に書簡を送り、選挙に際して中立を保つよう要求した。

 カントンは世界の日産工場の中で、労働組合がないわずか3つの施設の1つである。他の2工場は、やはり南部のテネシー州にある。独立組合が承認を得ようと苦心しているメキシコでさえ、日産の組合は国内有数の有利な労働協約を締結している。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
 「極めて激しい圧力や威嚇に負けず組合に賛成票を投じたカントンの労働者1,300人を祝福する。彼らは自分たちが信じるもののために立ち上がる勇気を持ち、会社がどんな攻撃を仕掛けてきても自分たちの立場を固守する覚悟があることを示した。世界中のインダストリオールと加盟組織が協力し、カントンの日産労働者と連帯すべきだ」

« 前のニュース  次のニュース »