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第80号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年6月30日)

2018年ITUC世界労働権利指数――民主的空間の縮小と企業欲の拡大

2018-06-07

ITUC世界労働権利指数は、国際的に認知された97の指標に基づいて142カ国をランク付けしている
ほとんどすべての国々でディーセント・ワークと民主的権利が衰退し、不平等が広がり続けている

 労働者の独断的な逮捕・拘留が見られる国の数は2017年の44カ国から2018年には59カ国に増え、54カ国で言論の自由が制限されていた。

 2018年ITUC世界労働権利指数は、国際的に認知された97の指標に基づいて142カ国をランク付けし、法律面および実際面で労働者の権利が最も手厚く保護されている国を評価している。

 2018年世界労働権利指数で確認された労働者の権利をめぐる3つの世界的傾向は、民主的空間の縮小、抑制のない企業の影響力、法律の重要性である。

 「国民が団結し、率直に意見を述べ、行動を起こす権利を保障していない国々で、民主主義が攻撃されている。ブラジルは結社の自由を否認する法律を可決し、中国は言論の自由を制限し、インドネシアでは労働争議の弾圧に軍隊が利用された」と国際労働組合総連合のシャラン・バロウ書記長は言う。

 移民労働者から公務員、プラットフォーム・ビジネスの労働者まで、労働者を労働法の適用対象から除外する国が増えており、65%の国々がいくつかの労働者区分を丸ごと労働法の適用対象外としている。

 ほとんどすべての国々でディーセント・ワークと民主的権利が衰退し、不平等が広がり続けていた。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。
 「残念ながら、労働者・労働組合の権利の侵害は例外ではなくむしろ通例となっている。私たちは先週、国際労働総会でいくつかの国々の労働者グループを支援した。ILO当事者によると、総会では最も重大な事例のみ討議する。私たちは、この点で役割を果たすよう国際機関に要求し続け、必要に応じて引き続き国際連帯も動員する。」

報告書の主な調査結果は以下のとおり。

  • 65%の国々が一部の労働者グループを労働法の適用対象から除外している。
  • 87%の国々がスト権を侵害している。
  • 81%の国々が一部または全部の労働者の団体交渉を認めていない。
  • 調査対象142カ国中54カ国が言論の自由と集会の自由を否認または制限している。
  • 労働者が肉体的な暴力や脅威にさらされている国の数は10%(59%から65%に)増加し、バーレーン、ホンジュラス、イタリア、パキスタンが含まれている。
  • 労働者が逮捕・拘留されている国は2017年の44カ国から2018年には59カ国に増えた。
  • ブラジル、中国、コロンビア、グアテマラ、ギニア、メキシコ、ニジェール、ナイジェリア、タンザニアの9カ国で労働組合員が殺害された。

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