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第84号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年10月31日)

アフリカの組合がナミビアで会合を開き、インダストリー4.0と持続可能性に関する計画を立案

2018-10-25

組合は労働者のために雇用創出、雇用保障、生涯学習を求めて闘い続けなければならない、とナミビア会合の参加者は述べた。

 自動車製造工場や鉱業部門、エネルギー部門では生産現場にロボットが導入され、先端技術が職場を変えている。これは将来の雇用が今とは違ったものになることを意味するが、労働組合にとって何を意味するのだろうか。

 第4次産業革命またはインダストリー4.0を先導しているのは、スマート・センサーや機械学習、データ管理、人工知能、クラウド・ソリューションに起因する急速な自動化である。ロボットは当初、自動車、航空宇宙、海運、機械エンジニアリング、工業生産といった少数の部門に限定されていたが、間もなく繊維・衣料を含むすべての部門に普及するだろう。

 サハラ以南アフリカ12カ国のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織が、フリードリヒ・エーベルト財団の支援によって10月18~19日にナミビアのビントフックに集まり、研究ネットワーク設立の可能性も含めて、組合がインダストリー4.0に関与する戦略を構築するにはどうすればよいか討議した。さらに、組合は経済的・環境的・社会的側面に目を向けることによって、持続可能な工業化に関する公共政策の決定に積極的に加わるべきである、という点で意見が一致した。

 会合参加者たちは、特に若年者の失業率が高い地域にあって、組合は労働者のために雇用創出と雇用保障、生涯学習を求めて引き続き闘い、移動可能な新しい技能、生活賃金および労働条件改善(女性の条件を含む)を獲得しなければならないことに合意した。この議論では、特にパリ協定および貧困撲滅、ディーセント・ワークとグリーン・ジョブの創出に関する国連社会開発目標との関連で、国内状況と世界状況の重要性が取り上げられた。国際連帯とグローバル枠組み協定が、労働者の権利を保護するうえで重要な要因として挙げられた。

 インダストリー4.0は気候変動と関連しているので、公正な移行計画によって労働者の権利と福祉を保護する必要があることについて討議した。これらの計画には創造的な労働調整プログラム、社会的保護、持続可能な産業政策を盛り込み、雇用保障を提供すべきである。影響を受ける地域社会にとっての社会的公正も盛り込むべきである。さらに、技術進歩はアフリカ大陸では不均等であるうえ、高いデータ・コスト、限られたインターネット接続、高い電気代によって妨げられていることが指摘された。

 ILOのジェンス・ダイリングによると、仕事の未来イニシアティブは、仕事の世界が変化しており、組合はそれに備えなければならないことを認識している。

 しかし、雇用喪失の不安はあるものの、ロボットが忍耐を要する仕事を肩代わりし、労働者が高度熟練雇用からより多くの収入を得るようになれば、労働者の安全衛生にとってメリットがある。

 インダストリオールのブライアン・コーラー安全衛生・持続可能性担当部長は述べた。
 「技術が仕事を改善し、退屈な重労働をなくしてくれれば、労働者は利益を得ることができる。公正な移行は新しい持続可能な仕事の世界への架け橋なので、組合はそれを求めて闘うべきだ。その橋を架けるには、持続可能な産業政策の策定にあたって労働者が役割を果たさなければならない」

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