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第88号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年2月28日)

トルコがシップリサイクル条約を批准

2019-02-04

トルコは2019年1月31日に香港条約を批准(写真:国際海事機関)

インダストリオール・グローバルユニオンは、トルコによる「船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」の批准を歓迎しつつも、より多くの国々が至急あとに続かなければならないと述べた。

トルコはバングラデシュ、中国、インド、パキスタンとともに世界の5大シップリサイクル国の1つであり、この5カ国はリサイクル船腹量全体の90%以上を占めている。

この国際海事機関の条約が発効するのは、15カ国以上が批准し、それらの国が世界の商船船腹量の40%以上を占め、その15カ国の最大年間解体船腹量の合計が船腹量合計の3%以上となってから24カ月後である。

インダストリオールは世界中の船舶解撤部門で労働組合を代表しており、各国に協定の批准を強く働きかけている。

「トルコが主要船舶リサイクル国として香港条約を批准したことは大きな前進だ。しかし、採択から10年経っても条約の発効に十分な数の国が署名していない。これ以上待てない。船舶解撤産業では、あまりにも多くの死亡事故が発生し、あまりにも多くの労働者が危険な条件にさらされている」と松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤部門担当部長は言う。
「この条約は、すべてのステークホルダーが責任を持って安全、健康、清潔かつ持続可能な雇用を提供する――そして労働者にそのような雇用を期待する権利を与える――ために最低限必要な第一歩だ。まだ署名していない海運・船舶解撤大国すべてに対し、可能な限り早く批准するよう要請する」

トルコはベルギー、コンゴ、デンマーク、フランス、ノルウェー、パナマに続いて7番目に香港条約を批准した。7カ国合計で世界の商船船腹量の20%以上を占めている。バングラデシュ、中国、キプロス、ドイツ、インド、イタリア、日本、オランダ、シンガポール、イギリスといった主要な海運・船舶解撤国は、香港条約の要件を完全に満たし批准しなければならない。

船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約は、船舶の設計・建造・運航・維持や船舶リサイクルの準備について定め、船舶の安全性や運用効率を引き下げずに安全かつ環境上適正な再生利用を促進しようとしている。

この条約では、リサイクルに送られる船舶は、それぞれの船に固有の危険性物質の目録を携帯しなければならない。船舶リサイクル施設は「船舶リサイクル計画」を提供し、適切な安全訓練を含めて、各船舶の詳細や目録に応じたリサイクル方法を明記するよう義務づけられている。

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